運命217＃ だっせー ページ2
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「くっそ……！」
「A、焦るな。まだ時間はある」
眉根を寄せて呻くAに風丸が声をかけた。
冷静で、凛と構える。ボールを受け取ったら風のように走り出す。
FFIでAが慕った彼のプレーは、雷門でも健在なようだ。
Aは深呼吸して、ふと漫遊寺陣のサイドバックに目を向けた。木暮だ。
試合に出たはいいものの、ボールが回って来ず、つまらなそうに唇を尖らせて地面を蹴っている。
「……うっし。有人！」
振り返った彼が黙って頷いたのを確認して、Aは飛び出した。インナーラップで相手陣内に切り込んでいく。
「おらっ、木暮！」
「ぅえっ！？」
「さっきはよくも、やってくれたな！」
鬼道からボールを受け取って、まっすぐに木暮に向かっていく。
突然名前を呼ばれあたふたとした彼は、Aを見てハッと目を見開いた。
「トロイメライ!!!!」
「な……え！？」
体がすり抜ける。Aのそれを食らった全てのプレイヤーが語ったその言葉。
木暮も今、その感覚を理解した。
「虎丸！」
「！ 分かったっ」
彼らも馬鹿ではない、そう何度も一対一で突っ込んできてはくれない。
Aは待ってましたとばかりに虎丸を呼びつけ、駆け上がってきた彼に向かって──突然、タックルした。
「うわぁっ！」
「ぐぁっ！」
「「！？」」
吹っ飛ぶ両者。何が起きたのか、その場は一瞬混沌に陥る。
その後すぐにDFが転がっていたボールをカット、決まりかけた攻撃はそこで止められた。
「なんだ……？」
「仲間割れでしょうか……」
Aが地面に座り込んだまま頭を振っていると、そこへ手が差し出された。
「ごめん、A！」
「いや、平気。やっぱ、そううまくはいかねえもんだなぁ」
その手を取って立ち上がる。
言葉とは裏腹にAは笑っていた。宇都宮も自信ありげだ。
「けど、絶対この試合中に完成させるんだ。俺達ならできる！」
「おう！」
「ははっ、なーんだ」
……そこへ、水を差す笑い声が聞こえてきた。
「幽霊みたいな変なプレーしといて、シュート技は未完成かよ。うっしっし！ だっせー、仲間同士でぶつかって転がってやんの。うっしっ……」
「……てめーはどうなんだよ」
「し……」
やけに真摯な瞳が返ってきて、木暮も笑うのを止めた。
Aはユニフォームについた砂埃を払い、自陣へと戻って行った。
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棗(プロフ) - 絶対読みます‼️✨️✨ (2023年4月9日 14時) (
レス) id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 棗さん» 棗さん！ 拙作のお気に入り登録通知にいつも元気をもらっています。お読み頂きありがとうございました。次回作ができあがりましたらぜひまた読んでいただけると嬉しいです…！ (2023年4月9日 13時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 鬼道有人大好きなんで見るのがすごく楽しみでした‼️これからも読ませて頂きますm(*_ _)m (2023年4月9日 13時) (レス) @page48 id: 20492549c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» そうです最終章…の予定…です〜！！ そう、私も凄いあっという間だった気がする……。わ〜！ ほのぼの目指してたのでそう伝わってて大変嬉しいです❤️ 頑張るね、ありがとう！！ (2022年3月11日 12時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - fin…fin！？終わり！？そっか、夙夜夢寐もここまで来たんだね。なんか早い気がする(天空の巫女読み返してるからかな)前作は恋愛要素が多くて、読んでてほっこり？ほんわか？なんて言うんだ？そんな気分になりました。最後まで頑張ってね！ (2022年3月11日 9時) (レス) @page1 id: 0165dfb280 (このIDを非表示/違反報告)
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