秋38＃ 痛みと電話 ページ40
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夏未は茶碗にご飯をよそい、もう一つ茶碗を重ねて振ることで、大まかな形を作れる上冷ますことができるという、おにぎりの「必殺技」を覚えた。木野命名、ダブル茶碗だ。
なるほどやってみると、初めての夏未でも綺麗に形作れる。
「できた、できたわ！ ほら、ほらっ。すごい……！ 生まれて初めておにぎり握ったわ……！」
「Aさん、どう？ やり方分かった？」
「……申し訳、ございません」
Aはエプロンを脱ぎ、少し俯いた。
「私は触覚が人より長けている分……痛覚も人一倍ございまして。私が握れるような温度まで冷ましますと、せっかくのお米が固くなってしまうのです」
「！ そっか……」
顔を見合わせた三人は、すぐに微笑んでAを見た。
「気にしないで、Aさん」
「そもそもAさん、マネージャーじゃなくてフィールドチューナーですしね！」
「その代わり、私たちが作っている間、みんなのこと見ててくれるかしら」
音無からカメラを受け取り、Aは三人に軽く頭を下げる。
「お力になれずすみません。皆様のことはお任せ下さい」
そうして部室を出る。扉を閉めてからすぐ、三人の声が聞こえた。
じゃ、早速作らないとですね。沢山作らないと壁山君のおかげですぐ無くなっちゃうわ。……朗笑。
じくり。今になって先程の米の張り付いた肌が火傷を訴え始める。
Aは少しだけカメラを握り締めた。
「……私は有人様に……雷門の皆様に、何もできない……」
震える声は、誰にも知られず消えていく。
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『……私だ』
『手配は全て、完了致しました』
『……ご苦労』
そんな会話のみを残して電話は切れてしまった。Aはしばらくの間目を伏せ、その後通信傍受機の電源を切る。恐らくもう今後、彼が電話することもないだろう。
春夏冬財閥は何もしなかったわけではない。あのあとすぐに影山の現在の住所を割り出し、携帯電話の傍受を二十四時間可能にした。Aが家を空けている間は氷輪が常に監視しており、何かあればすぐAに連絡がいくようになっている。
しかし電話があったのは今し方、世宇子戦を明日に控えた夜だった。そして中身の知られないよう配慮された内容。かなり前から準備してきているとみて間違いはない。
「明日ですか……」
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杳覇(プロフ) - に近い感じかな……？ 私の作品の中ではかなり短くまとまると思うんで、暇なときに覗いてくれると嬉しいです！ 更新がんばるね〜〜！！ (2021年10月8日 12時) (
レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» 初見朧ありがとう〜〜！！ バチくそに頭良い子なので私に書き切れるかどうかは賭けです🙂 選手に指示を出してゲームを組み立てていく司令塔よりはマネジメントに近い役割だけど、そういう認識でも大丈夫です！ フィールドメイキングするスタッフ (2021年10月8日 12時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - あっどちらかと言うと日常の練習での司令塔という感じっぽいね(↓設定までしか読んでなかった) (2021年10月8日 11時) (レス) @page6 id: 2897e279c0 (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 遅れました！！わー作ってから一週間経ってるー(棒読み)頭良さげな子だね！(語彙力はテストで溶けました)選手じゃないっぽい？司令塔の補佐みたいな感じかな？楽しみにしてるね！頑張って！！ (2021年10月8日 11時) (レス) @page2 id: 2897e279c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 白雪林檎さん» コメントありがとうございます✨ わ〜〜昔から読んで下さってるんですね！ めっちゃ嬉しいです…！！ ありがとうございます☺️💓 お褒めのお言葉も光栄です✨ 更新頑張ります！！ (2021年10月7日 6時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
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