秋35＃ 眼鏡と父 ページ37
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「……諦めの悪さ、は、あると思います」
「はは、そうか。じゃあ強くなるね。応援しているよ」
「ありがとうございます」
──無月はAにとって、母方の叔父にあたる。
父に兄弟はいなかった。
この話はAの祖父に当たる人物まで遡る。
財閥にとって跡取りは必要だ。しかし、Aの祖父頑冬は妻を娶るつもりは無かった。もし妻が優秀だとしても、息子が生まれるとも限らなければそれが優秀であるとも限らない。
彼はとある児童養護施設に足を踏み入れた。そしてそこで、一人の少年を見つけた。
のちにAの父親となる睦希である。
彼は同じ施設の仲間と馴染めず、教室の隅で本を読んでいた。
頑冬には使える人物を見抜く「目」があった。その目で優秀な人物を仲間に引き入れ、春夏冬財閥を発展させた。そんな彼の目に適う少年だった。
頑冬は彼がいじめられている理由を、気がつきすぎる性格故にであると見抜いた。そして、その能力は財閥の跡取りに相応しいと、そう思った。
そして睦希は、自分を迎えてくれた恩ゆえに、父親に強く出ることができなかった。
大人になり、妻を迎え、娘ができても。その娘の能力を父が見抜き、睦希たちから奪うようにして徹底した教育をし、父母に対しても敬語を使うような異様な三歳児ができあがっても。
しかし、財閥に縛られた娘を、いつも解き放ってやりたいと思っていた。
「……」
Aは雷門のことはひとまず置いておいて、先に影山に関することを考えようとした。
だが突然眠気が襲ってきた。肌に当たる風も、見るものも、聞こえる声も、フィールドの匂いも目まぐるしく変化したその疲れが出たのかもしれない。
静かに目を閉じる。
懐かしい夢を見た。睦希がAの表情の無さを緩和するためにと、伊達眼鏡をくれたこと。
これがAが受け取った、父親からの初めてのプレゼントだった。
大きくなり、サイズが合わなくなると、Aは使用人に全く同じデザインのものを探させた。もうこの世にないと分かると、オーダーメイドで作らせた。Aが自分の小物に金をかけることは滅多になかった。
今でも机の引き出しにケースに入れてしまってある。そうだ、あれは埃をかぶってはいまいか──……。
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杳覇(プロフ) - に近い感じかな……？ 私の作品の中ではかなり短くまとまると思うんで、暇なときに覗いてくれると嬉しいです！ 更新がんばるね〜〜！！ (2021年10月8日 12時) (
レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» 初見朧ありがとう〜〜！！ バチくそに頭良い子なので私に書き切れるかどうかは賭けです🙂 選手に指示を出してゲームを組み立てていく司令塔よりはマネジメントに近い役割だけど、そういう認識でも大丈夫です！ フィールドメイキングするスタッフ (2021年10月8日 12時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - あっどちらかと言うと日常の練習での司令塔という感じっぽいね(↓設定までしか読んでなかった) (2021年10月8日 11時) (レス) @page6 id: 2897e279c0 (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 遅れました！！わー作ってから一週間経ってるー(棒読み)頭良さげな子だね！(語彙力はテストで溶けました)選手じゃないっぽい？司令塔の補佐みたいな感じかな？楽しみにしてるね！頑張って！！ (2021年10月8日 11時) (レス) @page2 id: 2897e279c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 白雪林檎さん» コメントありがとうございます✨ わ〜〜昔から読んで下さってるんですね！ めっちゃ嬉しいです…！！ ありがとうございます☺️💓 お褒めのお言葉も光栄です✨ 更新頑張ります！！ (2021年10月7日 6時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
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