運命173＃ ママン・レーヌ ページ1
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
「はっ……はっ……」
一瞬の静寂のあと、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。
天井が開き、元の青空が広がってフィールドに光を零す。
ユリカは少し乱れた息が整わぬまま、呆然とスコアボードを見つめていた。
が、そんな彼女の腕が、ゆっくりと引かれる。
「……っ」
Aに抱き締められた。
それが分かった途端、ユリカは噛んだ唇を震わせ、その肩に顔を埋める。
Aの背中に腕が回された。それにAも堪えきれなくなり、両目からぽたぽたと涙を落とす。
互いの胸の鼓動と、しゃくり上げる声以外の音は、二人の耳には届かなかった。
.
「──待ってくれ！！」
警官たちにパトカーへ乗せられるところだったイリーナの元に、ベルナルドとフロイが駆け寄った。
ベルナルドが必死に呼び止める。
「罪は私にも」
「お黙り！！ 私の言いなりだったあなたが出しゃばる必要はない」
「マーマ……」
「あなたならここからオリオンを立て直すなんて造作もないでしょう。……あの人の夢を叶えてあげて。ベルナルド、フロイ」
「母さん……！」
「イリーナ！」
そこへ、Aを筆頭にしたルース、ユリカ、ペトロニオたち、そしてシャドウ・オブ・オリオンのメンバーが追いついた。
構わず踵を返し、彼女たちに背中を向けるイリーナに、Aは続ける。
「アンタを許したわけじゃねえ。あたしたちを人間として育ててはくれず、十三年間兵器として扱い続けてきたこと、あたしたちは絶対許せねえ……」
「……」
「でも……」
「……」
そこで、ユリカが進み出た。
「メイビスがなかったら、私はきっとAたちには出会えず、サッカーもできなかった」
「……」
「だから……だから……っ」
「あなたたちは……」
そこで、イリーナは閉ざしていた口をようやく開く。
口ごもっていたユリカも、その声に黙り込んだ。
「……自分たちの運命を、変えたのね」
「「！」」
「ならば……私のことなど忘れなさい。未来のために」
そのままパトカーに乗り込んで、走り去るイリーナの姿を、最後まで見つめ続けていた。
それぞれにその名を口にしながら。
Aも「許さない」といいながら、焦がれるような面持ちで彼女の背中に呟いた。
「
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» 初見朧ありがとう！！！ ああああ感動してくれた！？ うっ、嬉しい……！！ 頑張ります！ ありがとね！！ (2021年8月13日 11時) (
レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 白目黒口さん» しろくろありがとうーー！！ ひえ嬉しいです\(//Д//)/ 毎秒更新ww できるだけいっぱい頑張ります！！ (2021年8月13日 11時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 続編！！！待ってました！！！前章の最後の蓮水ちゃんとユリカちゃんのところでうわあああああ(語彙力)ってなりましためっちゃ面白い。更新頑張ってね！応援してます！ (2021年8月13日 11時) (レス) id: 2aa92eadb7 (このIDを非表示/違反報告)
白目黒口(プロフ) - ああああ続編ッ！おめでとう(=´∀｀) 出だしから最高です！！ 無茶しない程度で毎秒更新()頑張ってください！ (2021年8月13日 10時) (レス) id: c29c1a0e83 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 蒼乃さん» さすあお！！ ありがとう！！ そうですね、イチャイチャさせますよとことん(( むしろここからもまだ本番感もあるというか、れんの成長に関わる部分になってくるので、気長にお付き合い頂ければなと思います！！ がんばるねー！！ (2021年8月13日 10時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時：2021年8月13日 10時
