ミス・オールサンデー ページ34
–––––ドドドドドドドドッ
何だろう、振動？
––––ドドドドドドドドドドドドドドドドッ
一定のリズムで刻まれる振動。
ゆっくりと目蓋を押し上げれば、
白くぼやけた視界が徐々にはっきりとして、
誰かしら人間の輪郭が映し出される。
「あら、目が覚めたみたいね」
目の前にいたのは不適に笑うミス•オールサンデー。
「ここは！？ルフィさんは！！？」
そうだ、ルフィさんとクロコダイルの戦いを見てて
ルフィさんがクロコダイルのフックに貫かれて、
助けに行こうとして……。
身体を動かそうとすれば、
両手が後ろに回された状態から動かない。
縛られてる？いや、人の手で掴まれてる感覚。
手首の辺りにじんわりと人肌の温もりを感じる。
「気分はどうかしら？」
落ち着いたトーンで話す彼女は
どこまでも余裕そうだ。
「……ルフィさんは？」
「さァ？生きてるかどうかは彼次第ね」
ルフィさんがクロコダイルのフックで貫かれたのは
夢なんかじゃない。
けど、あの後どうなったのかを私は知らない。
彼女の口振りからして、
絶対に生きているとは言い切れないが、
死んでいるとも言い切れない。
ルフィさん、ルフィさん……。
今、私はたった１人だ。
誰も味方がいない。とても怖い。
「ここ、どこ……？」
何か喋らないと恐怖で押し潰されてしまいそうで、
震える唇で何とか言葉を紡ぐ。
「“F−ワニ”というバナナワニの背中の上よ。
今は首都のアルバーナへ向かっているわ」
よく見てみれば、鼻の上にバナナの形の
骨か脂肪をつけたワニが見える。
そしてこのワニは本来一人乗り用らしく、
私は座席の後ろ側の隙間に座らさせられている状態。
この人がアルバーナへ向かうのは分かるが、
何で私まで連れてきたのか分からない。
私の事はあの場に放っておけばよかったのに。
わざわざ私をこのワニの背中に乗せた理由は何なんだろう。
この人が何を考えているのか、全く分からない。
レインベースの時からそうだ。
ずっと微笑を浮かべているだけ。
クロコダイルの方がまだ、怒ったり嘲笑ったりするから表情から感情が読み取れる。
なのにこの人は、
ずっと一定の笑顔を貼り付けている。
正直な所、クロコダイルよりもずっと不気味な人だ。
「アルバーナに着くまで少し時間があるわ。
その間、私と少しお話でもしましょうか」
そう言って相変わらずの笑みを見せる彼女が、
酷く恐ろしく感じた。
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朮(プロフ) - 星猫さん» それ程アニメをよく観るわけでは無いので、ラノベ系アニメはあまり知りません。ジャンプ系なら黒バス・ぬら孫・血界戦線・るろ剣・鬼滅・リボーン等です。 その他ならドリフターズ ・最遊記・忍たま・どろろです。 (2020年6月12日 19時) (
レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2020年6月12日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
朮(プロフ) - きぃさん» コメント有難うございます！これからは物語も大きく動いてみたり……。応援を励みに更新頑張ります！！お楽しみに！！ (2020年3月18日 23時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
きぃ - すっごく面白い小説ですね！これから電伝虫少女ちゃんがどうなるのか展開が楽しみです！続きの更新頑張ってください！応援してます！ (2020年3月18日 14時) (レス) id: 86b27e9006 (このIDを非表示/違反報告)
朮(プロフ) - 靜藍さん» コメント有難うございます！前作まで読んで頂き光栄です！なるべくテンポ良く投稿できるよう頑張ります！！ (2020年3月10日 10時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朮’ | 作成日時：2020年3月8日 2時
