決意 ページ25
クロコダイルから聞かされたのは、彼による壮大な悪巧みの概要。
社員集め、資金集め、演技指導、そしてその集大成ともいえる作戦が今始まったのだという。
人の顔をマネできるMr.2が国王に化けて国民を煽り、反乱軍の拠点から程近いナノハナに武器を大量に積み込んだ船をわざと突っ込ませた。
その話を聞いているだけで、
私は無意識の内にぐっと拳を握っていた。
この男は何もかもをバカにしている。
自分以外の人の事を何とも思ってないんだ。
何とかして反乱軍よりも先に王宮のあるアルバーナへ回り込んで衝突を防ごうとするビビさんを前に、
クロコダイルは懐から檻の鍵を出しチラつかせる。
そして鍵を手に、
クロコダイルは檻の中の私に視線を向けた。
「ナギと言ったか?
お前だけは檻から出してやってもいい」
急な声掛けに、私の肩がびくっと震える。
「さっきも言ったが、お前はいい取引材料になる。
何なら俺のもとで働くという手もあるな」
「お断りします…!」
私を人ではなく、モノとして見る目が気に入らない。
何より、物凄く嫌いな人の言うことを聞くのが嫌で嫌で仕方がなかった。
「クハハッ」
クロコダイルは短く笑うと、
––––ポイ…
手に持っていた鍵を床に放り投げる。
すると床にパカッと穴が開き、
鍵はかなり下の方へと落ちてしまった。
そしてその鍵を、事もあろうに
バナナワニがゴクリと飲み込んでしまったのだ。
しかも鍵を落とした穴から水が溢れ出てきており、
この部屋はあと1時間で完全に水没して消滅してしまうと言う。
ルフィさんは檻を掴むと、
外にいるビビさんに今までで1番でかい声で叫んだ。
「ビビ!何とかしろっ!!
俺達をここから出せ!!!」
「クハハ、命乞いか?
そりゃァ、誰でも死ぬのは恐ェもんだ」
確かに、ルフィさんの言葉は見苦しい命乞いの様に聞こえたかもしれない。
けど、ルフィさんの表情は
決してそんな弱々しいものではない。
「俺達がここで死んだら!!
誰があいつをぶっ飛ばすんだ!!!」
勇ましいその言葉に、部屋を後にしようとしていたクロコダイルがピタリと足を止め、青筋を立てる。
「……自惚れるなよ、小物が」
「……お前の方が小物だろ!!」
七武海相手になんて事をと
ナミさんとウソップさんが震えているが、
こうなったら最後までとことんやってやる!
最初は怖かったし、嫌だったし、逃げたかったけど、もう決めた!やるったらやる!
それに近所のおばちゃんも言ってた
「女は度胸だ!」って!
129人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朮(プロフ) - 星猫さん» それ程アニメをよく観るわけでは無いので、ラノベ系アニメはあまり知りません。ジャンプ系なら黒バス・ぬら孫・血界戦線・るろ剣・鬼滅・リボーン等です。 その他ならドリフターズ ・最遊記・忍たま・どろろです。 (2020年6月12日 19時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2020年6月12日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
朮(プロフ) - きぃさん» コメント有難うございます!これからは物語も大きく動いてみたり……。応援を励みに更新頑張ります!!お楽しみに!! (2020年3月18日 23時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
きぃ - すっごく面白い小説ですね!これから電伝虫少女ちゃんがどうなるのか展開が楽しみです!続きの更新頑張ってください!応援してます! (2020年3月18日 14時) (レス) id: 86b27e9006 (このIDを非表示/違反報告)
朮(プロフ) - 靜藍さん» コメント有難うございます!前作まで読んで頂き光栄です!なるべくテンポ良く投稿できるよう頑張ります!! (2020年3月10日 10時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朮’ | 作成日時:2020年3月8日 2時