電伝虫少女の海賊生活

走る！ ページ18

結局皆んなが待っている所に向かってしまった事で、一味全員を巻き込んでの鬼ごっこ状態になってしまった。

そして至る所で電伝虫が使われているのか、

『麦わらの一味がいたぞ！』

『逃すな！包囲しろ！！』

といったいった声が頭の中でたくさん聞こえている。

「よし！このままクロコダイルの所に行こう！」

こうなればもう勢いだけで行くしかない。

クロコダイルがいるのはレインベースで
最も立派なカジノ“レインディナーズ”。

一先ず何方向かに分かれて、後でレンディナーズで
落ち合う事だけ決めてひたすら逃げる。

ルフィさんはゴムの力で飛び跳ねて行ってしまったため、私はナミさんとウソップさんと一緒に逃げる。

「あいつらに間違いねェんだ！さっさと殺せ！！」

後ろから負ってくるのは海兵ではなく、
騒ぎで私達を見つけたB•Wの人間。

銃や剣を持って私達を追っかけてくる。

「ひっ、ひぃぃぃぃぃ！！！」

何でこんな所で命狙われてるの私！

というか、殺せとか物騒すぎる！！何この世界！？

「ナギ、殻に巻いてた布どこ落としてきたのよ？」

「え！？」

殻の辺りを触れは、レインベースに着いた時に殻に被せておいた布の手触りがなくなっている。

どうも逃げてる最中に取れてしまっていたらしく、
堂々と特徴的なそれを晒していた。



途中でウソップさんが躓いた木箱とか樽の積んであったやつが上手い具合に倒れて追手を足止めする事に成功し、何とかレインディナーズの前まで来る。

「見て！あれがレインディナーズの入り口よ！！」

「まだ誰も来てねェのか？」

どうやら私達3人が一番乗りだったらしい。

「よーし、狙い撃て！」

「「「敵！！？」」」

現れたのは味方ではなく敵。

それもB•Wで、こちらに銃口を向けて構えている。

もうやだ、泣きたい。

「横の2人は殺していいが、あのガキは殺すなよ」

私に向けられていた銃口が
ウソップさんとナミさんの方に向く。

ガキって、私の事？何で私だけ？

それより、このままじゃ撃たれてしまう。
どうしよう！？何とかしないと！！

でも私の能力なんて戦いに使えないし……。

……そうだ、音声拡張機能があった！

「ナミさん、ウソップさん耳塞いで！」

「「えっ！？」」

2人が戸惑いつつも手で耳を塞いだのを確認すると、
思いっきり息を吸って

「わーーっ！！」

めいっぱい叫んでやった。

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