その後5 ページ24
「うーネロー…パトラッシュー…」
ダムが決壊したように色気もなく泣いてるから俺はその様が少しおかしくて笑ってしまう。昔からこのアニメを見ると、まぁこれには限らないがAは伏線を見た段階ですぐに泣く
撮りためた海外ドラマとどっちがいいか尋ねると間髪入れず前者を選ぶから、相変わらずだなと笑ってしまった
「相変わらず涙腺脆いな」
「泣くのってすっきりする〜」
「…そうか」
「ふふふ。消太はあんまり泣かないよね〜」
洗面所で顔を洗ってタオルで拭いながら俺の隣に腰掛ける。腕を軽く引っ張って顔を近づける。キスの合図
けどAはわざとなのか知らないがわざと前髪をあげて額にしろと無言でアピールしてきたり、抱き着いて頬にキスしてきたリ、今日は不思議と何度も躱されている
「ね、目、きつくない？」
むすっとしてるのが態度に出てると、自分でもわかった。男なんていつまでたってもガキなのか。そんなことを思いながら黙って頷く
「じっとしてて」
不意に、顎を這う手の感触。無理矢理上を向かされて瞼を押し上げられる。見えたのはいたずらっ子みたいに微笑む、一重が魅力の綺麗な顔
「っおま、」
「ひっろひへよ」
「っあ、ぁ」
赤い舌が覗いて、昨日の夜を思い出した。べろりと右の瞳をなぞる。唾液が先から垂れて、奥まで染みていく感覚。なんだ、これ…戸惑いながらも言うことを聞いて、時折変な声を洩らしながらAの気が済むのを待つ
左目の結膜のきわをぐり、となぞり終えると、顔が離れていく。終わりか。そう悟って瞬きをすると、視界が潤っているのを感じた
何度目薬を打っても治らなかった乾きがない。俺の首に腕を回してにまにまと微笑んでるAは小首を傾げて唇を割る
「気持ちい？」
「…すげえな」
「ちゅーしないから機嫌悪かったでしょ」
「…もっと早くやれよ」
「なんか卑猥だから言い出しづらくてー」
あと拗ねてるの可愛かったの。抱き着いてきて、柔い感触に顔が埋もれる。無意識なのか。いや、思惑が全部ばれてたならこれも故意だろう
俺は背中をとん、と叩いて体を離させた。見下ろす顔は微睡んでる猫、というよりは女豹みたいに艶やかで、背筋を熱が駆け抜けた
はあ、と息を吐いて口を開くと薄いそれが重なったから、驚いて変な声を洩らす。してやったりと誇らしげだから、苦笑して細い顎に触れる
「何〜」
「…お前たまに色っぽいよな」
「えー嬉しい〜」
俺はまた苦く笑いを洩らして、落ちてきた唇の熱を味わった
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William(プロフ) - わ~コメントありがとうございます(^^)あのお話は数年間懐で温めてた自信作だったのでそう言っていただけて嬉しいです。番外編、頑張って更新しますので楽しみにしていてくださいね。いつもありがとうございます。 (2020年5月24日 23時) (
レス) id: 3ee161ce59 (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - 相澤先生のお話で目を舐める話を最近読んですごく印象に残ってたから読んでみたんですが、同じ作者様だったんですね！！好きです！！ (2020年5月24日 23時) (レス) id: 8f61effecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：William | 作成日時：2020年5月23日 0時
