その後4 ページ23
「浮気か」
朝起きてリビングに向かうと、しょうちゃんがそう言って不機嫌そうに顔を歪めた
何が？尋ねるとテレビを指さしてリモコンで巻き戻し。うちの会社の特集番組。若い男の人が私の頬に自分の頬を摺り寄せてる
「俺というものがありながら…」
「ちょっと〜拗ねないで〜」
「拗ねてねぇ」
「なんでこっち向かないのー？」
「…機嫌が悪ぃ」
拗ねてんじゃん。私のしょうちゃんは意外と嫉妬深い。学生の時も色んな男の子が親切にしてくれてたのにしょうちゃんが隣にいると誰も手を出してこなかった
目つき悪いし怖いもんね。そう思ってたけ会わなくなってからアピールが一気に熱烈になったから、この人一体何して皆を脅えさせてたの…とそんなことを考えてた
私は苦笑して彼の隣に座る。ちら、とこちらを見て、またテレビの画面に戻る視線。何も見えてないのを私は知ってます。多分今頭の中がぐるぐるしちゃって何も考えてない
「取引先の若社長だよー…しょうちゃんだってジョークさんにずーっとプロポーズされてるじゃーん」
「あれは挨拶みたいなもんだ。お前のは違ぇだろ」
「違くないよ〜あの人イタリア帰りなんだもん。色んな人とスキンシップしてるもん…」
私は前々から不満に思ってた女の人とのやりとりについて口に出した。しょうちゃんは負けじと応戦してくる
顔をそらしたままリモコンをいじってるから、私は彼の腕に抱き着いてぶつぶつと文句を言う。素直じゃないな〜…私はしょうちゃん一筋なのに
不意に、彼が私の方を向いて頭を撫でた。ご機嫌取り？騙されないもん。そう思って不満げな顔をして見せる。するとその手が滑って髪を一束掬う。唇が落ちて、たおやかなウエーブを描いて元の位置に戻る
「あとは」
「…んーっと、手の甲でしょ？」
「ん」
「あとほっぺ。瞼と〜口も」
「…おい」
「嘘嘘！手とほっぺだけです！」
しょうちゃんは時折王子様みたいなことをする。初めてえっちしたときもそうだった。普段あまりしないだけに、こういうご機嫌取りは絶大な効果を放つ
私はデレデレと溶けた顔でしっかりした首に腕を回してぎゅうぎゅう抱き着いた。髪が長くてくすぐったい
「消太かわいい〜」
「なんとでも言え」
「私のお姫様〜」
「…もう何も言わん」
「猫ちゃん猫ちゃん」
顔に触れると、口元を緩ませて私の目元に触れた。目尻を親指が撫でて、そのまま黒子を隠すように、何度も往復する。これ、好き。端正な顔が近づいてきたから、黙ってそっと目を閉じた
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William(プロフ) - わ~コメントありがとうございます(^^)あのお話は数年間懐で温めてた自信作だったのでそう言っていただけて嬉しいです。番外編、頑張って更新しますので楽しみにしていてくださいね。いつもありがとうございます。 (2020年5月24日 23時) (
レス) id: 3ee161ce59 (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - 相澤先生のお話で目を舐める話を最近読んですごく印象に残ってたから読んでみたんですが、同じ作者様だったんですね！！好きです！！ (2020年5月24日 23時) (レス) id: 8f61effecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：William | 作成日時：2020年5月23日 0時
