その後2 ページ21
「来ちゃった！」
足音に聞き覚えがあったから淡い期待を抱きつつ、まさかな、と思ってドアを開けた
でかいキャリーケースと食材でパンパンのスーパーの袋。ベージュのコートを着たAはにこにこ笑ってそう言った
俺は呆気にとられて何も言えなかった。お邪魔しまーすとズカズカ入り込んできて、別段止める理由もないので奥に消えたのを見届けて扉をパタンと閉める
「山田君がね〜ワーカホリックになってるから来てやってってね〜」
「…これだけ」
「だめ！一旦かたすの！お風呂入って！」
「…」
「30分以内に出てきたら怒るからね！」
元々家具も少なく簡素だから掃除をする必要はない。Aはそれを見越していたのかまず空っぽの冷蔵庫の確認をして料理の下拵えをし、風呂場の掃除を終わらせた
俺はその間書類仕事を進めていた。後ろから現れたAが強い口調で言うからすぐに諦めて素直に風呂場へと向かう
湯がはってあって、いい匂いがした。入浴剤か。シャワーを浴びながらシャンプーの方を見ると女物が並んでたからギョッとした。住むつもりかアイツ
理由は後で聞くか。しっかり湯船に浸かって上がり、リビングに行くと豪華な食卓に迎えられてちょっと笑った。二人用には多すぎるだろ。Aの気合の入用に苦笑する
「美味しい？」
「ん、美味い」
「ふふ…ねーねーこの近くスーパー無いの？」
「あるけど」
「後で行きたーい！」
冷蔵庫に何も無いのを見越して駅前のスーパーで色々買い込んだのだろう。手羽先に齧り付きながら嬉しそうにするAはにこにこと笑ってる
だし巻き卵を箸で割りながら、俺は先程浮かんだ疑問を口にする
「いつ帰るんだ」
「2週間後」
「…長いな」
「有給一気に使っちゃおーと思って」
「経過記録とか、いいのか」
「今は特にやってないし、チームの子が行ってきたらって勧めてくれたの」
そう言って笑うから、俺はつられて口元を緩ませた。久しぶりに一緒に居られる時間があるのが信じられず、実は結構嬉しかったりもする
顔には出さないが多分Aは気づいてる。にまにまと俺を見てくるから、確実に
「消太も有給取ってるでしょ？山田君に聞いたの」
「…アイツ」
「ふふ、前から計画してたんだ」
「…まぁ、いいけど」
「それはそうとゼリーばっか食べてどうすんのー…体が資本なのに…」
「必要なもんしか入ってねぇから大丈夫」
「絶対貧相になる」
Aが真顔で言い切るから、俺は苦笑して味噌汁を啜った
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William(プロフ) - わ~コメントありがとうございます(^^)あのお話は数年間懐で温めてた自信作だったのでそう言っていただけて嬉しいです。番外編、頑張って更新しますので楽しみにしていてくださいね。いつもありがとうございます。 (2020年5月24日 23時) (
レス) id: 3ee161ce59 (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - 相澤先生のお話で目を舐める話を最近読んですごく印象に残ってたから読んでみたんですが、同じ作者様だったんですね！！好きです！！ (2020年5月24日 23時) (レス) id: 8f61effecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：William | 作成日時：2020年5月23日 0時
