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「消太」
夢を見た。小さいころの夢。花冠をかぶせられてお姫様って笑ってくる夢。アングラ系ヒーローとして活動し、雄英の教師に赴任した矢先、急に見た夢だった
何か見る度に毎日のように思い出してはいた。綿あめ片手にはしゃいでる子供を見て視界がぼやけたときは、末期だと思った
久しぶりに休暇だし、市内の見回りついでに散歩でもしよう。書類の山から抜け出して家を出、辺りの公園を歩いてみる
あいつは四つ葉好きだったな、とセンチメンタルなことを考えた
春だから、シロツメクサが咲いてる。花冠を編んでる女の子が一人居て、ベンチでぼんやりしてた俺に声をかけてくれた
もうちょい警戒するべきなんじゃないか。そうは思ったが折角勇気出して話しかけてくれたんだし、遊ぶか、と腰を上げる
お母さんに四葉をあげたいのだそうだ。観察眼は昔からある。俺は探し出して数分で見つけ、顔を綻ばせる女の子にさしだした
「おじさんすごーい！目がいいね！」
「ありがと。いるかい？」
「いいの？ありがとー！じゃあ代わりに花冠あげる！」
お母さん用のを腕に通して時間がないから、と小さめのを編み始めた。その様子を見てると、Aを思い出す
おじさんは、と言うから俺も一緒に編む。Aが教えてくれたっけ。こんなところで役に立つとは。何でもやってみるもんだな
口元が緩んで、その子は俺を見上げて不思議そうに首を傾げた。俺はその様子を見て、Aの方が可愛いなんて思う。その子も十分可愛いが。末期だな、と苦笑する
「上手だな」
「そうかな、おじさんの方が上手だよ！」
「…得意なやつがいてな」
「そうなんだ！かのじょ？」
「…まぁな」
「へー！いいな！結婚するの？！」
子供は正直だ。俺が臆病だから我慢してもらってる、なんて言うわけにもいかず。俺はちょっと黙り込んで、シロツメクサを編む手を速めた
「さあな」
「さあなが口癖なのはね、ダメな人のとくちょうだってパパがいってた」
「…しっかりした親父さんだな」
「でもわたしパパがママに泣きついて結婚したのしってるから…」
「はは、黙っててやれよな」
笑いをもらして、完成した冠を小さな頭にのせた。溶けた笑顔がひまわりみたいで、Aを思い出した
眠るネコみたいな笑顔がみたい。目尻が垂れて、目元の黒子ごと撫でるのが好きだった
会いたいな。その子が嬉しそうにするのを見て、ポツリと心で呟いた
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William(プロフ) - わ~コメントありがとうございます(^^)あのお話は数年間懐で温めてた自信作だったのでそう言っていただけて嬉しいです。番外編、頑張って更新しますので楽しみにしていてくださいね。いつもありがとうございます。 (2020年5月24日 23時) (
レス) id: 3ee161ce59 (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - 相澤先生のお話で目を舐める話を最近読んですごく印象に残ってたから読んでみたんですが、同じ作者様だったんですね！！好きです！！ (2020年5月24日 23時) (レス) id: 8f61effecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：William | 作成日時：2020年5月23日 0時
