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「しょうちゃん」
髪が長い人を見ると、口をついてその名前が出る
私は東北の大学に進学して薬学を学んでる。しょうちゃんを助ける魔道士兼お姫様になるために日々奮闘中だ
会わなくなって何年だろう。年月とか、あまり頓着しないから忘れてしまったけど、結構会ってないのだけは分かる
「違った。何でもない」
「そう？」
「うん。髪伸びたね〜」
「美容院行く暇もないからねー」
実験でチームを組んた同級生の子。女の子に興味がない人だと捗るから彼とよく組むようになった
私は向かい合わせに座ってる、真面目に実験報告をノートにとってる彼に笑いかける
「ねぇねぇ好きな人いる？」
「今は仕事が恋人」
「あーあの漫画好きだよ。天才バスケットマンのやつ」
「仙道君じゃないって、俺も好きだけど」
昔から少年漫画が好きだった。少女漫画も好きだったけど、しょうちゃんと話が合うからもっと好き
何かを見ると、彼を思い出す。長い髪、四葉、ソーダ味の綿あめ、便箋
彼は、目立つのが嫌いだからかアングラ系として活躍してる。だから新聞とかニュースとか見かけない。探し出すのが面倒だから山田君に聞いたりして、ちゃんと元気なのか確認してる
多分しょうちゃんは、私のことを考えて会いに来るなって言ったと思う。幼馴染の勘だけど
だから全然恨んでなんかないし、諦めてもない。私はしょうちゃんがいないと寂しいし、しょうちゃんもそうなのは知ってる
お互い必要としあってる。離れる必要なんてどこにあるんだろ。変なとこだけ不器用で頑固だから、面倒だな
私は頬杖をついてしょうちゃんのことを思い出して、ねぇねぇと彼に話しかけた
「最近ね、ずっと会ってないの。今連絡したら変だよねぇ」
「だね」
「しかもしかも、もう来るなって言われたの。だめだよねぇ」
「…うん」
強張った顔をしてたから、面白くて笑ってしまう。やっぱり皆そう言うんだよね、しょうちゃんのこと知らないくせに。聞いたの私だけど
私はにっこり微笑んで、顰め面の彼を見据えた
「しょうちゃんは私のお姫様なの」
「…そーですか」
「そう。約束したんだ〜」
鼻歌を口ずさむと、目の前に座る彼は笑った。しょうちゃんだけが題名を知ってる、私が作った歌
好きだなぁ。寂しいなぁ。でも、待つのは得意だし、あっちが折れるまで耐えてみよう。私はぼんやりと考えた
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William(プロフ) - わ~コメントありがとうございます(^^)あのお話は数年間懐で温めてた自信作だったのでそう言っていただけて嬉しいです。番外編、頑張って更新しますので楽しみにしていてくださいね。いつもありがとうございます。 (2020年5月24日 23時) (
レス) id: 3ee161ce59 (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - 相澤先生のお話で目を舐める話を最近読んですごく印象に残ってたから読んでみたんですが、同じ作者様だったんですね！！好きです！！ (2020年5月24日 23時) (レス) id: 8f61effecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：William | 作成日時：2020年5月23日 0時
