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「…なあ、君はどう思う？
俺は彼奴とは距離置いた方が妥当やと思う」
目眩がする。
クラクラとする脳は、景色は、まるであの幸せは全て嘘だったと塗り潰していくようで。
ツンとした目頭。
泣きたいのに、泣き喚きたいのに。
感情が少し足りない私は、涙が出てこない。
何様だというくらい一丁前に感じた怒りと、交換してしまったのかもしれない。
『なんで…、なんで崇裕くんを一人にしたの』
握った拳が震える。噛んだ唇に血が滲む。
ああ、きっと彼が見たら目を見開くだろうな。
大丈夫か、なにしてるんや、って、心配しすぎな彼を私は少し笑って見るんだろう。
そんな幸せが、欲しかったのかな。
『崇裕くんは、そんな人じゃない。
大切な人を見離すような、最低な人じゃない！！』
叫び声が木霊する。
ここまで声を荒げたのは何年ぶりだろう。
もう嫌だ。
大切な人が自らを犠牲にするのは、わざと他の人から疎まれるように仕向けるのは…
優しすぎる優しさは、もう充分なんだ。
『なんで、なんで分かんないの…
あなた幼馴染みなんでしょ？なにを見てきたの？
ねえ、あなたは崇裕くんのなにを見てきたの！！』
なんで、黙ってるの。
なんで、なにも言わないの。
なんで、なんでなんでなんで。
…なんで、彼を見捨てたの？
『崇裕くんは、優しいよ。
優しいから全部一人で背負い込もうとする』
『大切な人が悪く言われるくらいなら、自分が悪者になればいい。
そのためには大切な人に大きな嘘だってつく人』
『ねえ、どうして分からないの？
嫌いって言ったのも放っといてって言ったのも、全て幼馴染みと恋人を悪者にしないためじゃないの？』
『なんで、彼を追いつめたの？』
そう言った途端、ずっと奥にあった涙が零れ落ちた。
「なに言うてるん、彼奴は照史を…」
『一番近かったくせに。
…分かってあげられたはずなのにっ、』
ああ、泣いてる。
なんでだろう。
心がきゅうっと締めつけられたみたい。
一番近かったくせに。
分かってあげられたはずなのに。
その自分の言葉に、心当たりがあった。
『そうやって人のせいにして、逃げてばっかりで…
理解しようとしなかっただけじゃないっ！！』
草を踏み締める靴の音。
誰かと思って振り向けば、そこにいたのは今一番会いたかったあの人だった。
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一波(プロフ) - お返事ありがとうございます！とても嬉しいです！凛憧さんのまだ読んだ事ないお話読むのがとても楽しみになりました。 (2019年10月6日 15時) (
レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 一波さん» とても嬉しいです、ありがとうございます。感情を留めずに一気に読んでもらえるなんて嬉しくて、とても光栄に思います。是非また読みにいらしてください。拙い文章ではありますが、いつでも迎えさせていただきます。こちらこそ、読んでいただきありがとうございました。 (2019年10月6日 0時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 気付いたら読み終わっていた。それ位このお話に夢中でした。栞は挟んだままにしておいて、お話の中の皆に会いたくなったらまた来ようと思います。素敵なお話をありがとうございました。 (2019年10月6日 0時) (レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 凛憧さんのスウィートバイオレットのお話の雰囲気がすごく好きで、同じ作者さんのはまちゃんのお話が読みたくて来ちゃいました。読み出したら止まらなくて一気読みしちゃいました！読んでいて苦しくもありましたが、それ以上にどうかみんなにしあわせなラストをと祈り (2019年10月5日 23時) (レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 雷さん» ありがとうございます。丁寧な感想、気持ち、伝えていただけるのは書いている身の上とても嬉しいです。優しいお言葉を励みにこれからも頑張らせていただきます。閲読いただきありがとうございました。 (2019年8月8日 20時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
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