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将来の希望〜その変更 ページ9

もし出来るのなら、もう一度戦いたい。
強大な力を持ちながら、それを一度に示すことをせずにお父さんを嬲りものにした、あのゲマと。

このことを仲間に言ったら、いつも『それは復讐だ』と言葉を返された。

復讐……。
初めてこの言葉を聞いたときは、嫌な気分になったものだ。
しかし今は違う。

早くここを脱出して、世界中の誰よりも大きな力を手に入れる!
そして、今度は僕がゲマを……!

そう思う度、荷物や岩を持つ手に力が篭った。
ゲマは、僕を酷い目に遭わせる為に自分をここに連れて来たらしい。
しかしそれが皮肉にも、僕の力を強くする材料になっている。
このことを、ゲマは後悔しているだろうか。

最近はよく、一騎討ちでゲマと戦う夢を見る。
相手の攻撃を盾で受け、剣で弾く。
隙を見て、少しずつダメージを与えていく。
敵は段々弱っていくが、自分は涼しい顔のまま。
そして突然、ゲマの懐に飛び込む!
最後に、恐怖に顔を引き攣らせたその顔を、“もう二度と見たくない”と言わんばかりに素手で握り潰すーーーー!

自分の指がゲマの目を抉り、掌が頭骨を割り砕く。
その感触を本当に味わう為、僕は頑張って来たのだ。

ゲマの断末魔は、一体どういうものだろう。
想像すると、いつも心の中は歓喜で満たされる。
それは、凄絶な復讐を果たしたという理由でだ。

しかしあくまでも、その歓喜は現実のものではない。
だから、また戦いたい。
もちろん今度はーー

「お父さん……。
必ず、敵を討ちます……!」

ーー僕が、ゲマを嬲り殺しにする番だ。

残酷な決意に固められた拳はーー

「『自分』だけは見失うな!」

ーーしかしすぐに開かれた。

“そのとき”が来るまで決して開かないと思っていたのに。

でも、ヨシュアのおかげで、僕は我に返ることが出来た。
もしあのままの状態でゲマと再戦したら、僕は絶対にとんでもないことをするだろう。
相手が敵であっても、それをすることを躊躇(ためら)うようなことを。
とにかく、ゲマは一気に倒そう。


『……いいか、リュカ!
復讐だけは、何があってもするな!
例えどのような理由であっても、だ!』

……思い出した。
あの洞窟の中で、言われたのだ。
唐突だったので驚いたのを覚えている。

この二人は、似たようなことを言っている気がした。
“気がした”だけなので、本当にそうなのかはわからない。

樽の出発〜脱走の発覚→←ヨシュアの言葉



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チョコボスライムヨッシーピクミン(プロフ) - 日波輪廻さん» コメントありがとうございます!! 高評価もありがとうございます!!! そう言っていただき嬉しいです!! (2017年2月19日 12時) (レス) id: ecfbb83cdb (このIDを非表示/違反報告)
日波輪廻(プロフ) - 読みました!ドラクエ私も好きです!とても面白かったです!星も一番右を押させていただきました! (2017年2月19日 10時) (レス) id: 2dbf9d3e38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チョコボスライムヨッシーピクミン(スラヨシ) | 作者ホームページ:http://dqpikuminnovels.blog.fc2.com/  
作成日時:2014年7月26日 18時

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