【◇A】青心寮在住の引きこもり、その二。【逆ハー】

BALL63 ページ18

どこからそんな誤解が生まれたのか、全然分からない。

倉持も、照れるより先に意味わからないの方が強いらしい。
二人とも顔がｳｷｬｯ…と猿みたいになる。


当のその発言をした末永はと言うと、あわわ…と照れ半分ショック半分で眉を八の字にして困っていた。

困りたいのはこっちだ。



｢えーっと…どういう意味、かな？｣

末｢だっ、だって今…二人とも名前で呼びあってましたよね…？Aさんって普段人の事 苗字呼び出し…。｣

倉｢あ、あー…｣

｢あー…いやそのね？違うの、それたまたっ…｣

末｢洋一って、Aって…。
ご、ごめんなさい。まさか彼氏が居るだなんて知らなくて…！｣

倉｢いや違っ…｣

末｢ご、ごめんなさい！！！｣

｢｢え？;;｣｣

｢あ、ちょっ…！｣



変な誤解をさせたまま、末永は走り去ってしまった。
伸ばした手だけが虚しく残る。


確かに名前呼びで｢洋一｣｢A｣と呼んでいたが、それはみんな一緒だ。

これが御幸だったら｢一也｣と呼んでいるし、金丸だったら｢信二｣と呼んでいる。

まぁそんな事情を知らない末永にとったら、関係の無いことだが。


｢どうしよう…｣と倉持に目を合わせると、｢どうするか…｣と苦笑いで返された。

まぁ今更悩んだところでどうしようもない。









｢…大事にはならないか。｣


倉｢だー、よな。大丈夫だろ。｣





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