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どっちだろう、と不安だった。
スタッフは隠していたけど、女子の噂の早さをなめてはいけない。その日、チーム毎に別の場所に呼び出されていたのは周知の事実だった。
それぞれのチームに同じ話が出来ないような内容を話される。つまり、デビューの話をされるに違いない。
誰だってそう考えるだろう。
正直自信はあった。
私のチームは有力候補生のなかでも特に、という感じの子が集められている自覚があったし、いくつかの課題をやってみた結果 スキル面でのバランスも良いと確信していた。
他のチームよりも大きなトラブルが起きなかったのも、デビューを現実的に思わせたし。
年齢的にもラストチャンスだろうと思われるオンニがメンバーだ、という打算的な考えも過った。
だけど同時に不安を拭えなかったのは、それらがどれも、あくまでも相対的な指標に基づくものだったからだ。
他の2チームよりも、デビューに近いんじゃないか。
そうは思うんだけど、次にSMから出す新人として、私達より他にはいない！と胸を張って言えるほどではない。
候補生期間を共に過ごすなかで、他のチームの子にも、それぞれに凄いなと思わされるような部分は感じた。勿論、候補生になった時点で何か光るものがあるから選ばれているわけで、当たり前っちゃあ当たり前なのだけど。
だとしたら、何が「デビュー」という明暗を分けるのだろう？
言ってしまえば、大差ないのだ。
誰がデビューできても、できなくてもおかしくない。
候補生に選ばれた時には、ぬか喜びとも言えるくらいに楽観的に、単純に、ただただ嬉しかったのに。
もはや別人のように、むしろ私にはまだデビューは早いんじゃないかなんていう不安でいっぱいで。
そう思ってしまうくらい自信が無くなるような、たくさんのダメ出しをされて、精神的にも肉体的にもかなり追い込まれた候補生練習の期間だった。
だから、会議室へ呼ばれた私達にスタッフのオッパが「今後社をあげてSMルーキーズという制度を作り、その第一陣として君たちの中から順に公開練習生となる」と言った時、ああ、"プレ"デビュー の話だったのか、と妙に納得したのを覚えている。
そっかそっか、やっぱりまだデビューは難しいよな、なんて、実はちょっとホッとしたりもして。
「5人でのデビューは、その後だ」
そう続いた言葉に感情が追い付かなくて、え？と顔を見合わせながらアワアワして。
だけど結局、めちゃくちゃ嬉しくって、私達は抱き合って泣いた。
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ゆゆ(プロフ) - 塩水さん» コメントありがとうございます！熱心に読んで頂いているのが伝わってきて、私の方が素晴らしい読者さまに届いて嬉しく思います。これからもご期待に応えられるよう頑張って更新するので、引き続きご愛読頂けると嬉しいです！ (2021年3月5日 17時) (
レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
塩水(プロフ) - お話を読み返すほど作品に対する熱情が伝わってきて、こんな素晴らしい作者さんが書く、素晴らしい作品に出会えてよかった、と思いました。初めてのコメントで拙い文章になってしまいましたが、最後まで読んでいただけると幸いです!長文失礼致しました! (2021年3月5日 17時) (レス) id: ca8e68c7c0 (このIDを非表示/違反報告)
塩水(プロフ) - こんばんは。いつも紅一点シリーズ楽しませて頂いております!その場や人の細やかな心情を表現する文章は勿論、紅一点という題材を元にK-POP界の様々な問題を取り上げてストーリーに練りこんだこの作品が大好きです! (2021年3月5日 17時) (レス) id: ca8e68c7c0 (このIDを非表示/違反報告)
なおてぃん(プロフ) - ゆゆさん» 禁句は笑いました（笑）これからもこのお話の中のジェヒョン達がどのように幸せを掴んでいくのか見守らせてください(^^)応援しています！！ (2021年2月24日 16時) (レス) id: 600e5004d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - なおてぃんさん» 温かいコメントありがとうございます。さらに好きになっただなんて、一番の褒め言葉です……！正直私もジェってこんなに優しくない気もしますが(禁句)笑、このお話の中では彼女に出会って過ごす日々が彼をこうしたのだと思います。これからも応援よろしくお願いします！ (2021年2月22日 13時) (レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ
| 作成日時：2020年12月30日 1時
