. ページ14
とりあえず美味しいものたくさん頼んだから、とかなんとか言われて座らされ、それでも不機嫌なままに先生の話を右から左へ聞き流す。
隣のテヨンオッパはそんな私の様子に気を揉んで、チラチラと目配せをしてくるけど。
『何、私、テヨンオッパにも怒ってるんだからね？今日ヒニムとご飯行くって言った時、知らん顔してたくせに』
TY「いや、それは悪かったけど……」
SM「こら、テヨンを責めるな。Aには言わないようにと私が脅していたんだよ」
『おっさんのことも勿論怒ってるから大丈夫です』
TY「や、おま、おっさ……！」
BA「はははは、相変わらずねえ。オッパの育て方が悪かったんじゃない？」
YH「いやあ、ヒョンだってさすがに先生のことをおっさんとは言わないよ」
Hc「全くだよ。これ以上無駄に俺の評判を落としてくれるな？」
SH「A、いくら冗談でもそれは失礼にあたるから……」
『……ごめんなさい、先生。訂正します』
BA「うわ、謝った！すごい！」
SM「おお、EXOの言うことは聞くって言うのは本当だったな。ヒチョル」
『……ヒニム？』
Hc「ああそうだ、Aの説得ならEXO呼んだ方が良いって言ったのは確かに俺だ、だが俺は謝んないぞ」
SM「まあまあまあ、私は食えないおっさんと思われていたって構わないよ」
とても事務所のレジェンド級が集まっているとは思えないようなグダグダな話の展開に、テヨンオッパはひとりで相変わらず頭を抱えている。オッパはあまりこういう席にいるイメージ無いもんなあ。
まあでもいつも、こんなもんよ。
実のところ、先生と直接やり取りをするタレントは、今となっては多くはない。
それもそうだ。本人もご高齢だし、抱えているタレントも多すぎるし。
先生はタレントのことを良く知っていて、頭の下がるトップだなとは思うけど。影響力は健在でも、もうプロデュース業からは手を引いたということになっているし、デビュー日が遅い子ほど、当然先生との関係は希薄だろう。
そんな中、先生は私のことを特に気に掛けてくれているな、と我ながら思う。自惚れでなく。
こうやってお呼ばれするのは勿論だし、カトクが来る度に正直スパブロしてやりたい気持ちでいっぱいだし。
特別扱い、なんだろうな。
ボーイズグループで紅一点として活動をする不憫な私を、必要以上に可愛がっている。
だけどきっとそれは、私に期待しているからじゃない。
あの日、一度目のデビューを私から奪った、先生の"負い目"だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆゆ(プロフ) - 塩水さん» コメントありがとうございます！熱心に読んで頂いているのが伝わってきて、私の方が素晴らしい読者さまに届いて嬉しく思います。これからもご期待に応えられるよう頑張って更新するので、引き続きご愛読頂けると嬉しいです！ (2021年3月5日 17時) (
レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
塩水(プロフ) - お話を読み返すほど作品に対する熱情が伝わってきて、こんな素晴らしい作者さんが書く、素晴らしい作品に出会えてよかった、と思いました。初めてのコメントで拙い文章になってしまいましたが、最後まで読んでいただけると幸いです!長文失礼致しました! (2021年3月5日 17時) (レス) id: ca8e68c7c0 (このIDを非表示/違反報告)
塩水(プロフ) - こんばんは。いつも紅一点シリーズ楽しませて頂いております!その場や人の細やかな心情を表現する文章は勿論、紅一点という題材を元にK-POP界の様々な問題を取り上げてストーリーに練りこんだこの作品が大好きです! (2021年3月5日 17時) (レス) id: ca8e68c7c0 (このIDを非表示/違反報告)
なおてぃん(プロフ) - ゆゆさん» 禁句は笑いました（笑）これからもこのお話の中のジェヒョン達がどのように幸せを掴んでいくのか見守らせてください(^^)応援しています！！ (2021年2月24日 16時) (レス) id: 600e5004d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - なおてぃんさん» 温かいコメントありがとうございます。さらに好きになっただなんて、一番の褒め言葉です……！正直私もジェってこんなに優しくない気もしますが(禁句)笑、このお話の中では彼女に出会って過ごす日々が彼をこうしたのだと思います。これからも応援よろしくお願いします！ (2021年2月22日 13時) (レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆゆ
| 作成日時：2020年12月30日 1時
