Cream soda Ⅱ (ページ25)

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湧の気持ちページ25

元木side

あれから平塚と別れ家に帰るとベッドに寝転がって昔のことを思い出す。

元木「あー平塚が変なこと言うから」

俺がAと付き合ってのは、高1の春から高2の冬まで。
まぁ俺は入所した日からAのこと好きだったわけで、3年の片想い。
中学で色々あったアイツを助けてぇってのもあって、
高校入ってすぐに気持ちを伝えた。

「俺が颯太の代わりにおまえとずっと一緒にいるから。
　俺と付き合って？」
俺の告白に対して嬉しそうに頷いたんだよな。

それから周りには伝えず黙って俺たちは付き合ってたわけだけど、
とはいえ普通にカップルなわけだからデートしたり、
まぁ家ん中だけど手を繋いだり、キスとか？したりもしたけど、
どうしてもその先はできなかった。

今思えばあいつにはずっと心ん中に颯太がいたんだよな。
入所日にAに先に声をかけたのは颯太だった。
オーディションがあんな感じだったことと、
女であるAに声をかける奴なんて誰もいなくて
まるで汚いものを見るような目でみんなあいつを見てた。

けど、颯太はそんなの見えてないかのようにAに話しかけて。
泣きそうだったアイツは颯太のおかげで笑顔になったんだ。
「僕がずっと一緒にいるよ」って。
当時の颯太は今では考えられないくらい控え目なやつだったのにな。

俺があんな風に気持ちを伝えなかったら結果は違ってたのかな。
俺が颯太の代わりになるって言ったけど、
それは当時Aと颯太は一緒に活動してなかったからで
高校が一緒ってことで俺とは距離が戻ったからチャンスだと思っちまって。
でも、心のどっかで俺は颯太には勝てないって思ってたんだと思う。

少しして颯太とAが前みたいに一緒に活動出来る様になって
俺よりも颯太と話してるAがやけに楽しそうに見えて
そんな様子に俺はいつもイライラしてた。
まただって。また俺は颯太に勝てないんだって
Aは何も悪くねぇのに、あたっちゃったりして
あーもうダメかなって思った時にAに言われたんだ。

「湧のこと大好きだけど、もうこれ以上湧のこと傷つけたくない。
わがままでごめんね。私たち別れよう？」

それで俺らは別れたわけだけど、未だに颯太とAは付き合ってねーんだよな。
きっと俺のせいでAは踏み出せなくなってるんだよな。

元木「早くくっつけよ。俺はお前が幸せならそれでいいんだからさ…」

俺は静かに涙を流した。