藍沢先生の日常

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ドオオｵオオン


大きな音と共に体に激痛が走った。






「危ない！」という俺の忠告に気づかない子供。


すると咄嗟に体が動いていて持っていたカバンを放って「危ない！」ともう一度今までの人生でこんなに声を上げたことがないんじゃないかってくらいの声量で叫び子どもたちを突き飛ばした。


そのまま乗用車が突っ込んできて……




車に轢かれた……





すべての事がスローモーションのようだったけど一瞬だった。


何かクラクラする……

と思うと体の所々から出血していた。



兄「ねぇ！ねぇ！お兄さんってば！」


弟「お兄さん！お兄さん！」



藍沢「……どうした…？」



なにか言っているのは聞こえたが内容がいまいち理解できず返事が遅くなってしまいながらも子供たちに返事を返した。


兄「ねぇお兄さん！死なないでよ！お兄さん！」



兄であろう子も弟であろう子も目からは大粒の涙が溢れている。



弟「ダメだよ…死んじゃ…絶対だめだからね」



俺が横断歩道に倒れてしまったため車が動けなくなっている。

動けない理由を突き止めようと車からは人が降りてきて俺の周りはあっという間に人だかりと化した。


「大丈夫ですか！？」そう声を掛けてくれる人。


携帯片手におそらく救急車を呼んでくれている人。


「死なないで！」と連呼する子供。



発端は自分なのに車に轢かれたせいか思考がおかしくなっていて何か騒がしいな……


なんて呑気に考えながら気を抜けば飛んでしまいそうな意識を保った。






救急「大丈夫ですか？移動させますね」


声を掛けられながらストレッチャーに乗せて救急車に運び込まれる。




救急車の中はほぼ毎日と言っていいほど乗っているのに患者としては乗ったことがない。


新鮮な気持ちもあるが断然不安の方が大きい。



最寄りの病院が翔北のため翔北に搬送されることになった。


今の時間だと日勤組は帰ってないから……


白車の受け入れに来るのは…藤川とか緋山あたりか……なんて考えているとすぐに翔北に着いた。



白車のドアが開くとそこに待っていたのは少し予想とは違ったが灰谷と藤川。



藤川「えっ？藍沢！？」


灰谷「藍沢先生？」



俺を見てそう驚いたような声を出す藤川と灰谷。


藤川「藍沢！藍沢！」


白車から降ろされると同時に駆け寄ってくる藤川。

大きな声で話しかけてくるためすごく頭に響く。


藍沢「藤川…うるさい…」


藤川「そんなこと言ってる場合かよ。何があったんだ！？」

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