藍沢先生の日常

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ホールに着くとあゆたちの活動が始まって私たちはそれを参観した。


耕作は最後までほとんど話さなかったけど病院では見たことのないようなニコニコした表情であゆの活動を見守っていた。



活動が終わってホールで「さようなら」のあいさつをして帰宅する予定なんだけどほとんどの子供は友達と走り回ったりしていてあゆもその中の一人。


数人の子供たちと楽しそうにしていて耕作と話し合って楽しそうにしているから時間はあるし少しこのままにしておこうということになった。






あゆのお友達のお母さんと話しながらふとあゆたちがいる方を見るとあゆたちがいる場所の後ろには椅子が重ねて置かれていてグラグラしていた。


さっきまでは何ともなかったのに誰かがぶつかったのかその重ねて置かれている椅子がバランスを崩して落ちてきている。


あゆたちは気づいていないのか動こうとしなくて私も話していたあゆのお友達のお母さんも椅子が崩れてきているのはわかっているのに動けない。


そんな状況で隣にいた耕作が走り出した。


藍沢「歩翔！」


耕作はあゆとあゆの友達を頭を守ってあげながら椅子の前から突き飛ばした。



ガッシャーン



一瞬の事で状況がつかめなかったけど周りがザワザワし始めたのと同時に私の遠のいていた意識が戻った。


幸いあゆとあゆのお友達は耕作が突き飛ばした時に尻もちをついた程度。



けど耕作は椅子の下敷きになっていて頭を打ったのか意識がなかった。


白石「耕作！耕作！」


私はすぐに走り寄って声をかけるけど反応がない。


歩翔「ねぇママ…パパは…？だいじょーぶ？」


歩翔もいつものニコニコした元気いっぱいの表情はなくて意識のない耕作を前に不安そうな表情を浮かべている。


どうしよう………


と考えた時目の前にいる耕作の顔を見て耕作に言われた言葉を思い出した。


「何してる？お前が一番重い患者に付きっきりでどうする。現場は指揮官を求めてる。消防も救急も警察も目的は同じだ。一つでも多くの命を救うために仕事をしてる。その方法を一番よく知っているのは医者だ。だから、現場は医者の判断で動く。だが、医者がただ大勢いたところで機能しない。引っ張ってく人間が必要なんだ。白石、指揮官になれ」って。


白石「男性のみなさん、椅子を動かすのを手伝ってください！他の皆さんは子供たちが近くに近づかないようにお願いします」


そういうとホールにいた人たちは動き出して私も耕作の診ることにした。

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