第二十三話 ページ24
麻酔で眠らされ、次に目が覚めたとき、其処は真っ白な病室だった。
寝台の横には、椅子に座った勝己の姿。
「勝己」
「ッ！ 起きたのか！」
「嗚呼。警察は？」
「まだ来てねぇよ。お前、起きるのは後一日は掛かるって言われてたから」
そうだったのか……。
「どの位眠って居った？」
「一日」
「……勝己、學校は？」
「…………」
そっぽを向く勝己。
「明日も學校があるじゃろう。帰れ」
「テメェを置いて帰れるかよ」
「我が儘を言うでない。私は大丈夫じゃ」
「……テメェの大丈夫は、信用なんねぇ。……死んじまうかと、思ったんだぞ……」
俯いて、声を絞り出す勝己。
「…………。私は死なぬよ。少なくとも、光に行く迄は」
「死にかけた奴が何言ってんだ」
「…………」
今度は私が目をそらす。
「尾崎さーん、失礼しますよー」
看護師が入って来る。
「あら、爆豪君。まだ居たのね！ ……って！ 尾崎さん起きてる?! もう！ 起きたならナースコール押さなきゃダメじゃない！」
ぷりぷりと怒り乍ら釦を押す看護師。
直ぐに看護師を連れた医師が入って来て、私の脈やら何やらを測り記録していく。
「……よし。どれも正常だ。こんなに回復が速いとは、驚いたよ。……尾崎さん。一応言っておくけど……。傷、残る物が多いよ。ごめん。最善を尽くしたけど……」
「先生が謝る必要等無いですよ。元々、私なんかを貰ってくれる人等居ませんから。変わりません」
「そうだな。カンケーねぇ」
む？
「紅葉は俺が貰う。傷があろうが無かろうが、カンケーねぇよ」
看護師が小さく黄色い悲鳴を上げる。
「爆豪君、やるわね。……尾崎さん、貴方は自分が思ってる程、汚い人間じゃないわよ」
「！」
看護師に、見透かされた様なことを言われる。
「ははっ。若いって良いねぇ。じゃ、最後に連絡事項だけ言わせてもらうね。尾崎さんの回復速度だと、退院は遅くても一週間後。でも完全に治るまでは激しい運動は禁止！ ちょっと血が足りないから、吐き気とか目眩とかすると思うけど、点滴してるからそれもすぐに治るからね」
「はい」
「うん。じゃあまた来るからね。呉々も、安静にすること！」
出て行く医師達に頭を下げ、勝己を見る。
「……何だよ」
「否、先刻の意味を考えて居った」
「あ？ 貰うっつった奴か？ 嘘じゃねぇぞ」
珍しく赤面をしない勝己。
「……何故、私なんぞを」
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霧宮椿(プロフ) - 続き待機しています！姐さんカッコいいです！応援しています！ (2022年11月26日 8時) (
レス) @page38 id: 95d482cbd7 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 涙腺崩壊。特に夜叉とのシーンで泣いた (2019年7月31日 13時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - 星姫さん» ありがとうございます！ 長らく更新できませんでしたが、他の作品含め、少しずつ更新して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - マリーさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません。少しずつ更新を再開して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
星姫(プロフ) - 作品とても面白いです。更新楽しみにしています！ (2019年1月6日 2時) (レス) id: d716fdff91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳳凰寺未来 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月28日 11時
