◆黒執事◆〜シンデレラの罪〜final

30＊報われない犠牲 ページ36

＜エイミーside＞


エ)「ぅ…ん…」

カ)「! 気が付いたか…!」

エ)「? カル…私……ﾋｯ!」

目の前に横たわるリエンを見て

小さく悲鳴をあげた 左腕が肩からごっそり

無くなっている…何で…?

──ﾊﾞﾘｯﾊﾞﾘｯ

嫌な音に顔をあげると

女の人が男の人を食べていた

まさかリエンもあの人に…?

あれがダリアを造ったソフィアが

新しく生み出したモノなの…?

カ)「ﾁｯ ありゃあ…屍食鬼(グール)か」

エ)「屍食鬼(グール)??」

カ)「肉を喰う化け物だ

本来は墓を掘り返したりして死人の肉しか喰わな

いはずだが…あいつはできた経緯が経緯だけに…

特種なんだろう…相手が生きてるのに肉を喰ってる」

ア)「美味しい…もっと…全部食べればあなたは

わたしだけのもの…!あはははははは!!」

食べられている方は痛みすら感じないのか…

或いはもう死んでいるのかも知れない

虚ろに宙を見つめる

サ)「お父様…リエン…ノア…お姉さま…」

サングは泣いていた

実の家族が目の前で喰い殺されるなんて…

エ)「カル、屍食鬼の弱点って?」

カ)「知ってたら苦労しねぇよ

知ってたところで奴は普通の屍食鬼じゃない

常識が通じる見込みはねぇだろうな」

でも…

──ふらっ…

カ)「!? どうするつもりだ!」

エ)「戦う…弱らせれば…隙がでk…ｯ!」

倒れかけた所をカルが受け止める

カ)「バカか!無茶すんな!そんな体で戦ったらお前

の方が隙だらけだ!」

分かってる…分かってるけど…

ア)「美味しかったぁ…」

巴ちゃんもAちゃんも

こんなもののために…

ア)「あはははははは…!!」

死んじゃったっていうの?

ア)「ｳﾌﾌ…もっと食べたい…もっと…!」

そんなの酷すぎるよ…


＜シエルside＞


ア)「足りないわ…ｳﾌ 伯爵…白くて柔らかそう

ｳﾌﾌ 悪魔の執事もどんな味がするのかしら?ﾌﾌ」

シ)「ｯ 化物め…」

彼女をとめなくては…だがどうすれば…

セ)「坊ちゃん 彼女は術で生み出された存在

魔女は呪術の類いを書物に纏めて保管する習性が

あります 術者であるソフィアさんも魔女…」

シ)「じゃあその本を調べれば…!」

セ)「おそらく こういった場合の対策も載ってい

るk「一口ちょうだぁぁぁい…!!」!?」

シ)「!? セバスチy((────ｷﾝｯ!)) !? お前…」

背後から迫るアレティアを誰かがとめた…


シ)「サング…!」


サ)「勘違いしないで下さい

僕はこの女が許せないし…戻したいんです」

戻す?


サ)「全てを…在るべき形に…!」

＊God's daughters �鶲＊→←29＊愛しさ故に

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す