◆黒執事◆〜シンデレラの罪〜final

28＊ソラゴト ページ34

姉さんが去ったあの日…

サ)『ぅ…うぅ…っ ﾋｯｸ…』

ノ)『ﾆｬ─…?』

リ)『サングくん…』

サ)『どうして…ですかぁ…?
お姉さま…は…どこにも…行かない…って…
ぅ…ふぇ…』

リ)『…ねぇ…サングくん』

サ)『?』

リ)『追いかけようよ!お姉ちゃん!』

サ)『!? で、でも…』

リ)『お母様は人間だよ?
まだ完全なヴァンパイアじゃないから
ぼくたちがこっそりうまくやれば気付かないよ!
ね?』

サ)『ぅ〜…』

リ)『お姉ちゃんだって本当はぼくらを見捨てたくなかったんだよ きっと
だから…『無理です…』!? 何で…!』

サ)『僕は行けないです…』

リ)『何で?!お父様だってぼくらがいなくなってもどーs『僕は“ちょーなん”ですから…』…だから?』

サ)『ヒューバートの次期とーしゅは
離れられないんです…』


何
そ
れ
？


泣くほど悲しいくせに…

恨めしいほど大好きだったくせに…

“次期とーしゅ”だから?

そんな理由で簡単に諦められるわけ?


リ)『…どーして…?』


小さいぼくにはサングくんの価値観も

血筋の重要性も分からなかった


リ)『ぼくも残る…』

サ)『?』

リ)『お姉ちゃんと約束したから…

どこにも行かないって…』

サ)『! ふっ…うぁ〜…ｯｯ!!』

くだらないことだと思った

この長ったらしい人生 縛られて生きるなんて

でもどうせ逃れなれないのなら

全部受け止めて

逃げることも諦めて

運命に身を任せて

欲望に忠実に生きていこうって…


でもね


ちょっと考えちゃうことがあるんだ

Aちゃんが姉さんみたいなことを言ったとき

もし…もしあのとき姉さんを

お母様の手を振り払ってでも追いかけていたら

もう少し…今とは何かが違ったのかなって…


これこそくだらないか…

ああ…こんなこと考えたって…

何も変わらないのに…

サングくん…ずっと居てくれて

リ)「ありがと…((──ｸﾞﾁｬ…ｯｯ」


　


　


　


　


　


　


　


　


　


　


──────
────
──

あーあ…

無くなっちゃった…

──
────
──────


＜シエルside＞


セバスチャンが僕の目を覆う

肉がすりつぶされる嫌な音が響いて

見ていなくてもそれだけで気持ちが悪い

？)「美味しい…ｳﾌﾌ…」

手が外れると

歯形だらけのリエンと放心状態のサング…

満面の笑みを浮かべた女が僕を見ていた

？)「あら?キレイ…」

シ)「お前は…」

？)「お前なんて呼び方…美しくないわ伯爵


アレティアとお呼びなさい((ｸｽｯ」

29＊愛しさ故に→←27＊戻す兄 無くす弟

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す