◆黒執事◆〜シンデレラの罪〜final

26＊どこにも行かない ページ32

＜エイミーside＞


ぼんやりする意識のなかで

リエンがゆらゆらと誰かに近付いてく

サ)「お姉さま…分かりますか?

僕です サングです」

？)「サング?サングなの…?大きくなったのね」

サングの髪を撫でる女の人…だれ?

リ)「姉さん」

？)「まさか…リエン?」

リ)「そうだよ 姉さん」

？)「あんなに小さかったのに…立派ね」

リ)「嬉しいな 姉さんに褒められた＾＾」

エ)「?」

リエンは嬉しそうに会話しているが

あの飄々とした雰囲気はない

むしろ淡々としているようにきこえる

感情がこもっていない

シ)「(姉さん??)」

リ)「姉さん この子の血を飲んで」

っ…私の…?

？)「血を?」

リ)「…」

リエンの表情が暗く…?

サ)「…お姉さま 飲み方は分かりますか?」

？)「ええ 大丈夫よサング ありがとう＾＾

私…喉が渇いていたから…」

私の体を掴む女の人

エ)「や…」


？)「ちょうど良かったわ!!」


──ﾒｷｨ…ｯｯ!!

エ)「っ!?あぁぁぁぁぁぁ…ｯｯ!!?」

首と肩にガブリと噛みついた女の人

あまりの痛みに悲鳴をあげた

血が溢れ出す

傷口を歯で更に大きくしようと噛み砕く

骨まで砕かれてしまいそうで…

意識を手放すのにもちろん時間はかからない


＜シエルside＞


エ)「あぁぁぁぁぁｯｯ!!?」

シ)「エイミー!セバスチャン!」

セ)「御意」

カリバンの首に絡まる髪をほどき終え

セバスチャンが急行する

が

──ｼｭ!

サ)「お姉さまに近付くな…!」

サングが凄まじい速度でセバスチャンに迫る

サングと言いリエンと言い何なんだ?

彼女が二人の姉だと?ソフィアはアレティアを

甦らせようとしていたんじゃなかったのか?

？)「あぁ…美味しかった」

気を失ったエイミーを投げ捨てる女

セ)「!」

カ)「エイミー!!」

カリバンが空かさず受け止めた

シ)「どうだ?」

カ)「問題ねぇ コレくらいの傷ならエイミーが

自力で塞ぐだろ…ただ貧血で気を失っただけだ」

シ)「そうか…」

カ)「だがAと巴は…」

シ)「…」

二人は…もう…

女が血を飲み終えたと見たサングが駆け戻る

？)「ありがとう サング 守ってくれたのね」

サ)「はい お姉さま

これからはずっと居てくれますか?」

？)「ええ 約束を破ってごめんね…もう大丈夫

もう…


どこにも行かないから!」


サ)「!?」

女が大口を開けてサングに食らい付こうとした

しかし


──ﾌﾞｼｭ…


シ)「!!」

散ったのはサングの血ではなく


サ)「リ…エ……ン?」

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