◆黒執事◆〜シンデレラの罪〜final

8＊100人目のシンデレラ ページ11

2階…──＜シエルside＞


彼女が…シンデレラ…?

シ)「!? バカを言うな!消息が分からなくなってす

でに数百年経つ…お前も彼女はとっくに死んでい

ると…!」

セ)「ええ しかしそれは普通の人間がまともに年

を重ねた場合の話…」

シ)「! まさか…」

セ)「…少なくとも彼女はもう…」

ｴﾗ)「人間では…なくなってしまいました…」

──ﾊﾞｻ…

フードを外すエラ

シ)「!!」

月明かりに透き通る肌の白さに鳥肌が立った

口元にはサングと同じ牙 手には爪…

彼女もヴァンパイアか…

だが…あの目隠しは何だ?

セ)「申し訳ございませんがエラ様 そこを通して

は頂けませんか?」

ｴﾗ)「できません…Aを連れていかれては困る

のです 100人続いてしまった呪縛を私はこの手で

終わらせなければ」

シ)「セバスチャンの言っていた呪いか

だがAはうちの使用人だ 誰がなんと言おう

と連れて帰る……そう約束してきた」

ｴﾗ)「バカなことを…このままではあの子も


私と同じ末路を辿りますよ」


シ)「? どういうことだ…?」

セ)「つまり…このままでは


Aさんは貴女と同じヴァンパイアになる


ということですね」

シ)「!?」

Aが…ヴァンパイアに…?

セ)「かつて貴女は呪いの侵食により殺害と言う衝

動を抑えきれなくなった…そしてどこへ行かれた

のかと思えば…このような場所でその身を侵され

ながらまた灰を被っていらっしゃったのですね…」

ｴﾗ)「っ…あの子はもう壊れはじめている

渇いて渇いて…ひび割れ壊れた瞬間

AはAではなくなる

だから私がせめてもの情けを…

私が自らの責任として彼女を終わらせる

目を覚ます前に」

シ)「Aは呪いのこともお前のことも知らない

ヴァンパイア化する呪いならその魔女に解かせれ

ばいいだけのことだ…99人も自分の子孫を犠牲に

しておいて 今更Aを救済するために殺すと?

勝手な言い分だな」

ｴﾗ)「私はあなた方とAのためを思い言ってい

るのです すぐに立ち去りなさい 大人しく手を引け

ば彼らも手荒な真似は…」

シ)「残念だがもう殺すよう命が下ったらしい」

ｴﾗ)「っ お願いです…お願いですから…

帰って…帰ってくだs…っ帰っ…」

? 様子が…

セ)「! 坊ちゃん!下がってください」

シ)「何だ?」


セ)「彼女の自我が…」


ｴﾗ)「あぁぁあぁぁぁあぁぁあぁ──ｯ!!!」


　


　




セ)「…崩れました」


　


　



　


　



ｴﾗ)「殺ス…」

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