37−真実 ページ37
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「俺は初めて運命を感じた。宮殿で一人寂しく暮らしていた頃より、森でのほんの少しの時間が、何より俺は大切に思えた」
「……っ王子様…」
「＿＿20歳の誕生日は寝てる間に過ぎてよォ。…本当は、20歳まで生きるつもりは無かったんだがな
どうやら俺は真実の愛とやらに生かされたらしい」
最奥に到達したとき、ひっそりと設置されていたベンチに置かれていたのは、見覚えのあるもの。
彼はそれを手に取って大事そうにキスをする。
＿彼女があのオオカミにプレゼントした、真っ白のマフラー。
「起きた時に俺の首に巻かれてた。…愛する女の匂いがしたから俺への誕生日プレゼントだと思ってるんだが。…ちげェか？」
「……っどうして、私に聞くの…」
「お前がプレゼントしてくれただろォ」
視界が滲んでうまく王子の顔が見えない。
＿貴方は、やっぱり…あの時。
困ったように…だけど愛しいものを見るように王子は笑った。
「何で泣くんだよ」
「だって、…生きてて、くれた…っ」
「勝手に殺すんじゃねェ」
「王子様だなんて…！」
「言ってなかったからな」
彼が手袋を外して頬を撫でる。
その体温がひどく懐かしくて、また涙が溢れそうになってしまう。
「俺は話したぞ。…次はお前の話が聞きてェ」
「え、わ、私の話…？」
「あァ。俺はお前の事を何も知らねェ。どこに住んでるのかも、お前が誰なのかも」
「私の事なんてどうでもいいよ…！」
「俺にとってはどうでも良くねェんだよ。お前の事もっと知りてェ」
急な出来事に涙も引っ込んで慌てて彼の側を離れようとした。
だけどそれを許してくれないみたいに、彼は私の腰を引き寄せる。
今まで触れられる事の無かった手が躊躇なく触れて体温が一気に上がった。
「使用人って言ってただろォが。どういう事だよ
こんなにめかし込んで来るなんて聞いてねェ」
「そ、それは…」
「言えねェ事情があんのか？」
そんなのありすぎて困ってるところなのに。
だけど王子だって過去の事を話してくれた。
自分だけ話さないのはどうかと悩みに悩んだ。
その間も至近距離で王子が見つめてくるので長い間考える余裕もなかったけれど。
「王子様、本当は…」
「…あァ」
「私は、」
＿ゴーン…ゴーン…
「…12時の鐘！」
全てを打ち明けようと意を決したとき、あの約束の鐘が鳴ったんだ。
いけない。魔法が解けてしまう。
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えん - 実弥推しだったので、すごく嬉しいです！リクエストできるなら、白雪姫の夢主と王子の実弥、鬼滅キャラの七人の小人、見てみたいです！ (2021年6月3日 20時) (
レス) id: dfa45071da (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - 実弥オオカミ！素敵です！リクエストしたいです！何だっけ？獣の子？の主人公を女にして師匠を実弥に、で恋物語に…それかオオカミ子供のアメとユキ？かジブリのハウルパロディ、もし叶うなら小芭内をお願いしたいです、玄弥、小芭内のお話ラブなのがなかなか無いので (2021年3月13日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
めあり - 鬼滅版シンデレラですね (2021年2月14日 4時) (レス) id: ca5a6634ce (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 湯海さん» 湯海様、最後までご愛読ありがとうございました！沢山うんうんと悩んだ結果の役ハメでしたので、そう言って頂けて努力した甲斐がありました…！この作品での実弥王子は本当にまっすぐでありながらもあざとかったですね……それすらも愛おしい(錯乱) (2020年11月30日 17時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ayaさん» コメントに気付くのが遅くなってしまいました、すみません！aya様、こんな所にもコメント残して下さってたんですね…！ありがとうございます！aya様を幸せにする小説を作り上げることができて嬉しいです(^^) (2020年11月30日 17時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2020年5月31日 17時
