今日もあなたが好きでした。(Yuri)

後悔 ページ1

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20××年11月30日…










”本日はかつて大人気だった

ダンスボーカルグループのメンバーである…”










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朝。

テレビを付けたら、朝の芸能ニュースが流れていた。










ドクンと嫌な音がしてチャンネルを変えるけど

どのテレビも同じ内容だった。










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“いやぁ、あれから10年経つんですね”









“今どこで何をしてるんでしょう”

“引退してから全く音沙汰無しで…”










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10年前、かつて日本中を魅了した

天才的なダンサーの話題で…









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「…っ。」









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テレビを消して、ぎゅっと目を閉じる。










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脳裏に浮かぶのは、小さな体で汗を流して、

キラキラの笑顔で踊る、あの人の姿。










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そして、バースデー公演開演日…










ただのファンだった私を庇って、

鉄パイプの下敷きになったあの人の姿…









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スマホのネットニュースもあの人の記事だらけ。









テレビもスマホも、こうして後悔してる私を

責めてるかのように見えた。









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…いや、実際責めてるんだ。

だって私は世間からあの人を消してしまったから。










あの人の人生を台無しにしたんだから。

あの人から、一番大切なものを奪ったから…










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「そろそろ出ないと…」









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仕事に行く時間になり、私は家を出て

イヤホンを耳に付ける。









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流れてくるのは、かつてあの人の親友だった歌手の

Ryosukeの歌声。









Ryosukeから親友に送った大切な曲…










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10年前の11月30日。

私は、私を救ってくれた人…










HSJのメンバーの一人だった、

知念侑李さんの人生をめちゃくちゃにしてしまった。









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私は、知念さんからダンサーとして大切なものを

奪ってしまった…








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