本気で恋したジャニヲタ4

放送 ページ21

A「すいません、よろしくお願いします」


あさこ「落ち着いて、いつも通りにね」



どうやってこの前のことを伝えるか
綿密に打ち合わせを行って
あさこさんとの収録を迎えた。



『それではお願いしまーす！』



大きな緊張の中で始まった
オープニングトーク。



あさこ「この前、別の番組でAと一緒だったんだけど、機材トラブルで収録時間押したんだよね」


A「はい、そしたらちょっとした事件が起きてしまいまして……」



すぅ、と短く深呼吸をして
カメラに視線を合わせる。



A「実は、テレビ局の廊下でJUMPのみなさんと鉢合せしました！……ごめんなさい！」



ばっと頭を下げて３秒間のお辞儀。


見えないところで握られたスカートは
手汗でぐしゃぐしゃだ。


顔をあげたタイミングで
あさこさんが口を開いてくれる。



あさこ「私も隣にいたんだけどAフリーズしちゃってたよね(笑)」



A「あさこさんに声かけられてハッとして、そのあと挨拶させて貰いました」



カメラの奥で見守ってくれている
吉岡さんと目が合うと
優しく微笑んでくれて

緊張で引きつっていただろう
顔の筋肉が少しだけほぐれた気がした。



A「ハプニングとはいえ、こうやって会ってしまったので、みなさんには報告しないと、と思って今日この場を借りて、お話させてもらってます」


あさこ「初めての番組と、時間ずれたのと、色んな偶然が重なって起こった事だから、仕方ないと思うよ」



あさこさんにフォローまで入れてもらって
本当に感謝してもしきれない。



あさこ「会ってみてどうだった？」


A「緊張でほぼ覚えてません…」


あさこ「もう！せっかく会えたのにもったいなーい！」



あさこさんのトーク力で
少し固くなった現場の雰囲気を
すぐに明るいものへと変えてくれて


あさこ「それでは今週もよろしくお願いします！」


やっと、いつものように収録が始まった。









A「ありがとうございました」



無事に収録を終えて吉岡さんの元へ行く。



A「大丈夫でしたかね……」


吉岡「落ち着いてて良かったよ、お疲れ様」


A「もう来週の放送か……」



本当は今日の収録は３週後の予定だったが
早めに放送した方がいいと
順番を変更して流すことになった。

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