本気で恋したジャニヲタ4

スタジオ2 ページ13

「これで終了になります。時間押してすいませんでした！お疲れ様です」


初めて呼ばれた番組の収録は
機材のトラブルによって
予定よりも１時間ほど遅く終わった。


A「お疲れ様です。ありがとうございました」


「おつかれ！またよろしくな〜！」


A「はい！是非よろしくお願いします」



緊張マックスで始まった収録は
トラブルに見舞われながらも
明るい雰囲気の中で
楽しく終えることができた。



あさこ「おつかれ〜、次の仕事大丈夫？」


A「はい、吉岡さんが次の打合せずらしてくれたみたいなんで大丈夫です」


あさこ「それならよかった」


A「でも帰るのが遅くなります(笑)」



あさこさんと話をしながら

スタジオを出て歩いていると

前方のスタジオのドアが開いて

ワイワイと沢山の人が出てきた。






A「あさこさんこそ大丈夫です、、か」









出てきた人達の１人と目が合って






それは、よく知っている美しいお顔で






私は言葉を失った。








涼介「えっ……」







ぐるりと周りの人達に視線を移すと


彼の右にいた人も、左にいた人も


私の大好きなキラキラした人達で、





もちろんそこには大貴もいて





私と同じように立ちすくんでいた。








A「だい……」






き、と口が動いたけど




ここはテレビ局の廊下で




周りにはスタッフさんとかもいて




私はみんなとは会っちゃいけない人で






予測も出来なかった出来事に

私の思考回路はショート寸前だった。



こんな目の前で鉢合わせたら

このまま通りすぎるわけにも行かない。




あさこ「えっと……、A、初めましてなんじゃない？」


A「あ、っと、はい、初めまして」



あさこさんからの助け船により

なんとかその場を繋ぐことができた。




宏太「伊藤Aさんですよね、初めまして」




スッと、自然に薮くんがみんなの前に出てきて

ふにゃりと微笑むと右手が差し出された。




A「はい、こんにちは」




おずおずと私も右手を差し出して

ぎゅっと握手が交わされる。




動揺を隠せない私とは違って

落ち着いて優しく微笑む彼を見ると

さすが薮くんだなぁ、なんて

そんなこと考えている場合じゃないのに。




チラリと視界の隅に入った大貴は

まだポカン、と口を半開きにさせていた。

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