本気で恋したジャニヲタ4

不安2 ページ2

A「………………。」




……なるほど。

そうか、キスシーンか。

とうとう大ちゃんもなのね。

そうだよね、メンバーも次々と
キスシーンやってるもんね。



大貴「A？」



大貴が心配そうに見ている。

なんか、言わないと。



A「が、頑張ってね」



なんとか発した言葉は
自分が思ったよりも小さかった。

こんなんじゃ余計に心配させてしまう。



大貴「ごめんね」



違う。謝ることじゃない。


複雑だけど、応援したい。

大ちゃんのファンとしては嬉しいことだ。


……世の中のファンの子達は
どうやって自担のキスシーンを
乗り越えてきたのだろうか。

今度あかりにでも聞いてみよう。



A「なんで謝るの〜。仕事なんだし、私は大丈夫だよ！」



大貴に心配をかけないように
できるだけ明るく言った。

それに、こうやって教えてくれたんだもん
心の準備はできるじゃないか。

裕翔くんの時みたいに
予告なしでいきなり、なんてわけじゃない。




大貴「俺、ちゃんと出来るかな……」



そっか、大貴だって不安なんだ。




任された映画という大きな仕事に

慣れないキスシーン

先輩が主演というプレッシャー。




こういう時こそ

私が支えてあげないと。





A「じゃあ、……練習、する？」




普段、自分からなんて全くしない。

でも大貴があまりにも不安そうだったから



"大丈夫だよ"


そんな気持ちを込めて、キスをした。

不安3→←不安

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す