てがみ-3 ページ28
ある日の湿気の多い日。
いつも以上に苦戦するA
時間がかかるヘアメイクに
ヒョンたちとスタッフさんは「行ってます」と
先に撮影場所に移動した。
「できた！」
その頃には周りにスタッフさんも
みんないなくなっていて、
撮影場所までAと走った。
.
「こっち？あ、こっちか！」
.
方向音痴なAに連れられ、
迷いながら走った
着いたころには二人とも肩で息をしていた。
JJ「遅いよー！」
JS「今日のチャンミンの髪、
そんなにやばかったの？うはは！」
CM「違いますよー！
Aが道に迷うから！
これだからヌナは…」
「チャンミン！
こういうときだけヌナって呼ぶな〜！」
.
僕とAのやり取りに、全員が笑った。
撮影のポジションにつく僕。
Aは言い忘れた、
と言う顔をして僕に叫ぶ。
.
「チャンミン！今日もかっこいいよ！」
.
自分の仕事に誇りを持って、あなたは僕に言う。
僕はそんなAが好きなんです。
仕事をしているときに見せる、
笑顔のAが好きなんです。
自信を持って仕事をしている
そんな輝いているAが
どうしようもなく、好きなんです。
.
春、夏、秋、冬、
今までも、これからも
同じ季節をいっしょに
歩けたらな、と思っていた
だけど...
.
.
「私、旅に出る！」
.
.
Aの突然の宣言は、
世界一のヘアメイクになるために、
世界中に旅に出るというものだった。
.
「だから、みんなも世界一を目指してよね！」
.
夢を堂々と宣言したAは、
やっぱりかっこよくて、輝いていた。
JS「うお〜！」
YC「最初はどこの国？」
「最初はフランス！」
YN「Aならなれるよ、世界一！」
JJ「俺たちも世界一目指そー！
なぁ、チャンミン！」
CM「そうですね」
.
ヒョンたちはAの夢に、喜んだ
.
もちろん僕も。
.
仕事をしているAが好き
Aの夢に一番喜んで、
だけど、
だけど、
Aとの別れに、一番悲しんだ。
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年5月21日 22時
