NAO -2 ページ12
芸能界でトップスターになり、活躍し続ける彼。
会うことは少なくなったけど、
何かあればすぐに私に連絡をくれた。
久しぶりの彼からの電話。
.
「会わせたい人がいるから、いつものカフェに来て。」
高校時代、一緒に勉強しに通ったカフェ。
「会わせたい人」
そんなことは忘れて、
久しぶりに会える彼に胸を躍らせた。
「ユノ！」
いつものカフェで待っているユノ。
その隣には私の知らない女の人が座っていた。
.
彼から突然紹介された女の人。
今、付き合っているという彼女だった。
二人でよく通ったカフェ
今日は二人じゃなくて三人。
こんなことは
私に報告しなくていいのに...
.
何を話したか、正直覚えていない。
私はユノの隣にいる彼女の顏を
うまく見れなかった。
帰り道、一人、昔のことを思い出していた。
.
私だって普通に恋愛してきたけど、
長くは続かなかった。
何をしてても、彼の声が、
彼の顔が忘れられなくて。
またいつか、こういう日が来ることは予想できていたのに。
彼が私じゃなくて、
他の女の人に惹かれていくこと。
.
「私のほうがユノのこと知ってるのに。」
そっと呟くと、
今までのことを思い返して、
キリがないくらいユノでいっぱいになる。
こんなに二人、一緒にいても…
私の願いは
叶うことはないんだな...
一緒にいた分だけの思い出が私を辛くする。
私の胸はユノでいっぱいなこと、
あなたは知ってる？
知らないよね。
だって彼は女心を理解していないから
あの時、ちゃんと言っておけばよかった。
女心、勉強して、って
.
そう言ってたら、
今頃彼は、私の隣にいてくれた？
いや、それでもきっと...
涙でぼやけてうまく歩くことができなかった。
.
.
しばらくして私にも彼ができた。
皮肉にも、その相手は彼が紹介してくれた、
彼のグループのメンバーのチャンミン。
チャンミンは彼に負けないくらい、
優しくて、思いやりのある人。
でも、長くは続かなかった。
CM「無理することはないです。
Aが僕だけを見てくれるまで待ちますから。」
そう言ってくれた彼は、
私がユノを想ってることに気づいていた。
私はただ、謝ることしかできなかった。
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年5月21日 22時
