極秘任務、"性 教 育" 【刀剣乱舞】

ブラックな縁側で ページ13

『和泉守さん！』

ある縁側で眉間にしわを寄せながら

その筆が進まない刀剣男士がいた

その隣では風流だね、とか言いながら

桜の花を愛でる端正な顔立ちもあった

歌仙「どうしたんだい？主」

和泉守「主！助かったぜ！」

二人の影が優しく襖に伸びている

ふわりと頰をかすめる柔らかな風に

審神者の袴が少し遊ばれ

そのいつも晒される事のない白い肌が

思わず垣間見得てしまった

和泉守達はなんとも幸運に見舞われたものだ

二人の頭に永久保存されたのには間違いなし。

『刀剣男士は主の話を嫌がるのでしょう？』

歌仙「それはそれは…」

和泉守「おぞましい！」

でしょうね！立派なブラック本丸ですもの！

そう言いたげに柔らかく微笑んだ審神者

この甘く包み込むような霊気には

ブラックのかけらも感じられないのだが

それに気づかないほどに純粋な審神者に

違和感を覚えて面白くなってしまう二人

静かに目を合わせて気付かれないように笑いあっていた

『二人の仲がいい事も邪魔をするし、恐ろしい事も言う！天下の極悪人とは私の事じゃ！』

ほころぶ薄紅の唇に可愛い話題もつく

この昼下がりの縁側で主と肩を並べて過ごせるなど

ただの幸せでしかない

出陣の人には申し訳ないが

束の間の幸福を味わおうと歌仙は

三つお茶を用意した

すらりと立ち上った湯気は

またもや桜に攫われて

その透き通る緑の茶の上に

惜しそうに一つの桜が迷い込んできた

なんと良き昼下がりなのだろうか

『それでは恐れおののくのです！他のブラック本丸の話ですよ！』

和泉守「他のブラック本丸？」

茶を喉に通していく、が

少し突っかかりを覚えたように和泉守が眉をしかめた

この本丸は今はそうではないものの

昔はお墨付きのブラックだったのだ

少し懸念があるのもわかる

『私の兄の本丸です！』

あ、これ心配いらんやつや。

絶対可愛いやつやろ。分かっとるぞ

審神者の兄か、と二人は想像して

なんとも微笑ましい光景を浮かべた

絶対二人ともいい人やん。

デコピンとかしてんのやろ。可愛すぎるわ

『怖いでしょう！私は他のブラックとも通じているのですよ！』

歌仙「なんと！策士な！！」

すとん、と腰をかけて少し威張ってみせる審神者

その強気になって怯えさせようと

必死に無理をする演技が愛らしくてたまらない

さて、どのような面白い話が出るのかと

二人は顔を見合わせて微笑んだ

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