6.弓道部 ページ7
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呆けたような鳴宮くんの言葉に、私はつい吹き出してしまう。
「なっ、そんな笑うなよ、冗談だって」
「いや……ごめ、むり……!」
だめだ、笑いが止まらない。学年最強の子にくすぐられたとき並に止まらない。
「……瀬戸名って、笑い上戸だったりする?」
ええはいそうですその通りです鳴宮くん、ていうか知ってるだろあんたら。
そう言おうとしたけど、笑いが収まってくれなかったから、代わりに何度も頷くしかなかった。
「考えとか読めないって、エスパーとかじゃなきゃ無理っしょ普通……はー笑った笑った」
ひとしきり笑った余韻が残る中、私は息を整えながら言った。すると、鳴宮くんが首を傾げる。
「じゃあ、なんでわかったんだ?」
「ああ、それは……」
……いや、この話はすべきではない。してはいけない。
頭の中で警鐘が鳴る。手が震えて、喉がひゅっと微かな音を立てる。
違う、それどころじゃない。……怖い。
この話題に触れるのが、私は、怖いんだ。
「──ううん、何でもない。何でもないよ」
「……そうか?」
目を伏せて何でもないと主張した私を見て、鳴宮くんは少し何かを、理解したのだろうか。特に深く聞くこともなく、頷いた。
私はそれを確認して、他の2人の方に向き直る。
「山之内くんと竹早くんは?」
「おれはやる! 湊がやんないのはすっげー悔しいけど……トミー先生! やりたいっす、弓道!」
「竹早くんはどうじゃ」
「ぜひ、入部させてください」
森岡先生はにっこりする。
「それは嬉しいことじゃ! 鳴宮くんも、気が変わったら見学だけでも来ておくれ。いつでも、大歓迎じゃ」
「……はい」
普通に返事をする鳴宮くんをどこか複雑な気持ちで眺めていたら、次の瞬間、4人がそろってこっちを向いた。いきなりの事だから面食らって目をぱちくりさせる私に、聞いたのは竹早くんだった。
「瀬戸名さんはどうするんだい?」
……あ、そういうことね。
「えっと、私弓道よくわかんなくて……」
「初心者でも全然大歓迎じゃ。何なら、明日の説明会にでも来てはくれんか」
「説明会、ですか」
「うむ。ここで開かれるんじゃ。経験者には女子もおるから、ちいとは気軽に参加できるはずじゃよ」
説明会……。
女子もいるとのことだし、まあ、行ってみようかな。
「わかりました、ありがとうございます」
〜〜〜〜
「湊。……いいのか?」
「……俺はもう、弓道はやらない」
「僕は知ってるよ。湊が大切なものを持ち歩いてる事を」
「…………」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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今日の弓道男子
如月七緒
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Mashiro Lio(プロフ) - そうなんですね!私はこの間友達に相談したら、「いっそのこと全員分書いちゃえ!」って言われました笑笑 (2019年4月13日 17時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 誰を落ちにするかは、私も悩みに悩みましてアンケートにて決まりました笑 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - ありがとうございます!実は誰落ちか未定&すごく長くなりそうな予感しかしないので少し不安(笑)なのですが、そう言っていただけるととても励みになります!ご期待に添えるよう精一杯頑張ります! (2019年4月7日 10時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 続きが気になります!湊くん、静弥くん、愁くんとの関係性もまたまた気になります!更新楽しみにしています^_^ (2019年4月7日 8時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - メイリさん» ありがとうございます!こうやって小説上げるのは初めてなので至らない所もあるかとは思いますが、ちょっとずつ頑張っていこうと思います! (2019年4月2日 7時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mashiro Lio | 作者ホームページ:http
作成日時:2019年3月4日 22時