【ツルネ】ハバタケ 〜The Lost Memory〜

36.いとこバトル ページ38

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如月くんが、何か思い出したように声をあげた。


｢どうしたの？｣

｢これ貰っといてアレだけど、オレもお団子買ったんだよね｣

｢七緒お前もか｣


小野木くんが、顔を出す。


｢かっちゃんは何買ったの？ オレはね、みたらし！｣


すると、小野木くんが｢は……？｣とすごい勢いで如月くんを振り向いた。


｢団子っつったら、よもぎだろ……？｣


……またケンカですか。




ーーーー




｢団子は絶対みたらしっしょ！｣

｢いいや、よもぎだ！｣


さっきからこの話ばかりを繰り返すいとこ組。


｢鳴宮もみたらしだよね！｣

｢お前、よもぎ以外ありえねえだろ！｣


ちょうど如月くんの横にいた鳴宮くんに2人して詰め寄る。


｢ふ、2人とも…………｣




｢いやごめん、俺あんこ派｣





その場が、固まる。


数秒間に渡るフリーズの後、



｢ほら見ろかっちゃん！ 鳴宮も、素だんごに何か掛けるのが良いって！｣

｢いや、みたらしは服につくだろ！｣

｢つかないように食べるのがマナーってもんっしょ｣

｢お前みたいに、からかって気をそらす奴がいるから言ってんだよ！｣


王道だ邪道だと、また2人の争いが始まってしまう。


……もうだめだ。
収集つかないし、不毛極まりないから、放っておこ。




｢ところで、山之内くんは何派？｣


｢えっ、おれ!? ……う〜ん、特に考えたこと無いんだよなぁ。どのおだんごも味は違うけど、全部おいしいじゃん？｣


うわお。今のところ山之内くんがいちばん平和かつ正論。


｢んー……でもそういえば、私も考えたことなかったかも。確かに、どれもおいしいもんね。私は山之内くんの意見に1票！だな｣


｢だよね〜。あの2人も争いなんか止めてAちゃんのクッキーを……って、あぁっ！｣


｢ゆうな、どうし……あっ｣


ユウと梨可が立て続けに絶句する。どうしたの？ と私も覗きこむ、が……


｢クッキーが無い！｣


う、嘘でしょ……!?

あんなに大量に焼いたのに、


｢もう無くなっちゃうなんて……！｣


｢Aちゃんのクッキーが〜〜……｣


ユウがべた〜っと泣きつく。というか、私の腕に思いきりしがみつく。


｢ゆ、ユウ、クッキーまた焼くから。抹茶と、あとチョコ味も作るから！ ね？｣

｢うん……｣


ユウが、むう、と言いながら私の腕を放す。

でも、私のクッキーをユウが楽しみにしてくれることが、ここにいてもいいって言われたみたいで、何だか嬉しかった。



対して、その間もずっと喧嘩していた2人に、沈黙を保っていた竹早くんがとうとう動きだした。

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今日の弓道男子

如月七緒

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