【ツルネ】ハバタケ 〜The Lost Memory〜

35.女子トーーク･続 / お花見 ページ37

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｢実はね〜……私デコ極めてるの！ よかったら今度やってあげる！｣

｢まじか、ユウすごい！｣

｢どんなものができますの？｣

｢結構いろいろ！ 簡単な絵も描けるから、合宿でやる？｣

｢やるやるー！｣


高校初の女子会は、日暮れまで賑やかに続いたのだった。




ーーーー




週が明けて、月曜日。


｢はぁ、はぁ……、死ぬ〜……｣

｢そんな程度じゃ、ヒトは死なないでしょ｣


道場の周りを走り終えて、如月くん達が帰ってきた。


ちなみに、今ぴんぴんしているのは、先に帰ってきた女子組と、春休み毎日ランニングしてたらしい鳴宮くんのみである。


｢ところで、ランニングも終わってお疲れなところで、休憩がてらお花見しない？｣

｢お、お花見……？｣


不思議がるユウに笑って頷いた私は、道場の隅に唯一花が残った桜を見やる。


｢こんなに綺麗な桜があるのに、見てもらえないなんて寂しいじゃん。私、抹茶クッキー作ってきたし、皆で食べながら見ようよ｣


すると、途端にユウが顔を輝かせた。


｢えっ、食べる!!
あのね、Aちゃん料理超上手なの！ カップケーキ、すっごくおいしかったんだよ！｣

｢食べる食べるっ！｣

｢オレもっ！｣


ユウの訴えに食らいつく山之内くんと如月くん。


｢ほらほら、かっちゃんも食べようよ！｣

｢湊も静弥も、一緒に食べようぜ！｣


こうして、お花見という名のお菓子パーティーが始まった。




ーーーー




｢はい、こっちが抹茶クッキー。白玉だんごは1人1本ね。で、こっちはカップケーキ｣

｢めひゃうまっ！｣


ちょ、山之内くん食べるの早い！


｢ほんほら、ふぇふふおふっひー、んふぁい｣


鳴宮くんは大きなクッキーを口に入れてて、何言ってるのか全くわからない。


｢竹早くん、鳴宮くんはなんて言ってるの？｣


｢『ほんとだ、瀬戸名のクッキー美味い』だね｣


鳴宮くんが、うんうんと頷く。正解ってことか。さすが、通訳。
でも、鳴宮くんは鳴宮くんで、竹早くん限定エスパーだったりするんだよね。さすが親友。


｢Aちゃん、これ美味すぎっしょ！｣

｢…………｣


如月くんはクッキーに次々と手を伸ばし、小野木くんは黙々と白玉だんごを食べる。


そういえば……


｢ところで如月くん、どうして女子は私だけ名前呼びなの？｣

｢あぁ、なんと言いますか……初めて来た日に超緊張でガッチガチだったから、かな。気軽に声かけられる部活だって思ってほしかったもんね｣

｢そんなにガッチガチでしたか……｣

｢うん、3日放置したお団子並に。……あっ｣

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今日の弓道男子

如月七緒

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