24.行き過ぎた両成敗 ページ26
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小野木くんの大声に驚いて、私はビクッと小さく跳ねる。強く握ったシャーペンが、特に上手に描けた大きな丸の上を滑った。
そんな私をつゆ知らず、大声は続く。
「弓が引けないなら外でゴム引きでもしてろよな」
「小野木の邪魔をしたつもり無いけど」
「さっきから気が散るんだよ!」
私の中で、何かが切れる音がした。
多分、伸縮性抜群な堪忍袋の紐だろう。
顔を上げ、そっと彼らに近づく。
「声に出していたのは僕だけどね」
「竹早は黙ってろ!」
息を吸って、腹から声を出す。
「喧嘩両成敗っ!!」
固まった小野木くんに向かって、
「いってぇ!」
小野木くんが悲鳴をあげて、攻撃された所を押さえる。私が彼の後頭部に、強く踏み込んで手刀を放ったのだ。
……も、もちろん手加減はした。
「て……めぇ、……!」
すんでのところで言葉を飲み込む小野木くん。
「我慢したね。偉い!」
小野木くんににっこり笑いかけると、次は鳴宮くん……に笑顔を向けつつ、竹早くんの側頭部に手刀を放つ。
「っ……!?」
「問題その2は竹早くんだね。結果を予測できたのに、どうして小野木くんを挑発したの?火に油ぶちまけて、どうする気かしら?
平和的解決の手法くらい、そのやたら賢い頭でよおぉく考えなさい」
一瞥し、私はまず、この問題の元凶に向き直った。
「で? 周囲に配慮してって穏やかに言えばよかった小野木くん?
仲間にあんなこと言うとはね。どうして、今みたいに我慢しなかったの?」
くすくす笑いつつ、かなり高い所にある顔を見上げる。
ところで向こうから、化け物だの討伐不可能な裏ボスだの聞こえるのだが。
あとで山之内くんと如月くんにも話を聞かないと。
「あいつは仲間じゃねえ!」
は?
「お前が……いや誰が認めても、俺はあいつを仲間として認めねえ。絶対に認めねえんだよ!」
あら、そう。でもね。
私には私の持論があるんです、首尾一貫して。
「認めねえからな!ではありません。ならば、私はこんな、いざこざだらけの部活に入った覚えは無い。
さっきのあなたと同じこと言うなら、これは部活じゃない。いざこざが続くなら、私はここを風舞高校弓道部と認めない!」
ぽかんと口を開ける小野木くんに、それならぁ、と笑って間合いを一歩詰める。
「あーでも、私と戦って勝ったら、認めようかなぁ。体格とリーチの差でハンデは充分よね。さあ表に出ろ」
さらに一歩詰める。すると小野木くんは、一歩引く。
仕方ないから小野木くんの袖に手を伸ば──
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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おみくじ結果は「末凶」でした!
今日の弓道男子
如月七緒
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Mashiro Lio(プロフ) - そうなんですね!私はこの間友達に相談したら、「いっそのこと全員分書いちゃえ!」って言われました笑笑 (2019年4月13日 17時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 誰を落ちにするかは、私も悩みに悩みましてアンケートにて決まりました笑 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - ありがとうございます!実は誰落ちか未定&すごく長くなりそうな予感しかしないので少し不安(笑)なのですが、そう言っていただけるととても励みになります!ご期待に添えるよう精一杯頑張ります! (2019年4月7日 10時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 続きが気になります!湊くん、静弥くん、愁くんとの関係性もまたまた気になります!更新楽しみにしています^_^ (2019年4月7日 8時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - メイリさん» ありがとうございます!こうやって小説上げるのは初めてなので至らない所もあるかとは思いますが、ちょっとずつ頑張っていこうと思います! (2019年4月2日 7時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mashiro Lio | 作者ホームページ:http
作成日時:2019年3月4日 22時