【ツルネ】ハバタケ 〜The Lost Memory〜

11.久しぶりに ページ12

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1週間後。


｢瀬戸名さん、帰りちょっと残ってて」


不運にも、私はそんな宣告を受けてしまった。

……ええぇ……私、何かしたかなぁ。








｢部活登録用紙、提出あさってなのにまだ出してないよね？」


担任は、開口一番こう言った。


｢はい、そうですね」

｢いやあの、そうですね、じゃなくって……。部活は決めた？」

｢……まだです」


私は、弓道部の説明会以来、どこの部活も見る気になれなかった。そして、配られた日に副登録の欄に文芸部と書いただけで、以来ずっと登録用紙を放置していたのだ。
これまで放課後は、ずっと文芸部に入り浸っていた。先輩達も同級生もすごくいい人だから、居心地は最高。

でも、先生の言うとおり、明後日には主登録の部を決めて、用紙を出さなければいけない。


私が運動部に固執するのは、そうしないと体が鈍るから。それはつまり、中学時代の部活での努力が無に帰すことを意味する。それに、大学受験に備えて体力もつけないといけない。


｢あ、でも今日は当てがあるので行くつもりです。というか、約束の時間がもうすぐです」

そう言うと、


｢それなら急がないとだね。引き留めてごめん、早く行きな」


と、あっさり解放してくれた。



本当は約束なんて無いのだけども。

確かに行く当てはあるけど、約束は嘘。私は嘘をつくのが得意な方ではあるけどそれにしては先生がうまく引っかかりすぎたので、逆に内心、ごめんなさい！と謝りながら教室を後にした。




ーーーー




そして、私は再び弓道場へとやってきた。

理由は簡単。
唯一説明会に参加したのと、梨可がいるから。ただそれだけ。

あとは、他の部活に興味を持てなかったから。


｢失礼しまー……、へ」


入ってすぐ、入学式のときにぶつかった人と鉢合わせた。これで3回目なんだけど、私達は何回会うのだろう。


｢……はい何でしょうかごめんなさい」

｢何でもねーし！」


目が合ったから、おそるおそる声をかけてみる。すると、その人は全力で顔をそらして足音高く去って行ってしまった。一体何がしたかったのだろう。

つい、癖でため息をつく。


と、背後に人の気配がして………






とん。
私の肩に手が置かれた。




ーーーー




｢うわぁっ!?｣


驚いて振り向くと、同じく入学式の日に見た、ザ･陽キャの人がいた。


｢あ、びっくりさせちゃったね、ごめん！ 説明会来てくれた子だよね。名前、何ていうの？｣

｢瀬戸名A、です……え、っと｣


｢オレは如月七緒。で、さっきの怖いのは小野木海斗。呼び方、七緒とかっちゃんでいいよ！｣

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今日の弓道男子

如月七緒

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