042:目的 CM ページ43
「A、少し2人で話そう」
「…うん」
夜景を見に行ったヒョンとヌナを見送って
僕はAにそう切り出した。
僕は 僕の想いより
Aの気持ちを優先さえなければいけない
今日一日 そう自分に言い聞かせたから。
「婚約…解消しましょう」
「…チャンミン」
「そう呼ばれるのは…久しぶりですね」
「…」
「でも僕は…無理して欲しくない」
「…」
「僕は一方通行でも構わないんです…。でも、そんな僕といる事が」
「チャンミンは意外とピンクが似合う」
「え」
「ただしパステルカラーに限る」
「A…」
「四字熟語を覚えたがる」
「…」
「メールの返信のRe:をわざわざ消す」
「…」
「天邪鬼」
「…」
「家族全員不愛想」
「ぶっ」
「双子の妹…親友のキュヒョン…お酒…ゲーム…ドS…だけど、何より」
「…」
「チャンミンは…寂しがり屋」
気付いた時には
抱き締めていた。
記憶が戻ってきたわけじゃないと分っていても
僕が下そうとしていた決断の愚かさに
まるで杭を打たれた気分だった。
「私にとって今のアナタは…確かに他人です」
「…」
「例え、私の記憶が戻って来ないとしても」
「…」
「私は…私です」
「…」
「だからきっと…導き出す答えは一緒だと思うんです」
ゆっくりとAが僕を見上げると
走馬灯のように
出逢いから今までの記憶が蘇って行く。
「最初から…始めよう」
「…うん」
最初からそうするべきだったんだ。
それが怖かったのは
自分に自信を持てなかっただけなんだ。
*************
「Aをジュネのスタイリストに?」
「はい」
「…自分のスタイリストじゃなくて?」
「はい」
「ごめん、ヒョンにはお前の考えが分からない」
「今更僕らのスタイリストとして連れ回すなんて難しいじゃないですか」
「…まぁ…確かに」
「記憶を取り戻す事に拘るより…目的を作ってあげたい」
「…ふーん」
「まぁ色々、ジュネが最適なんです」
「あ、そう」
「それに…ジュネはAの弟に似てるから」
僕の提案にAは喜んだ。
ジュネの事務所にも無事に話が通って
Aは正式にジュネの個人スタイリストに採用された。
やっぱり俺には理解できないよ。
ユノヒョンはそう言って笑った。
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作成日時:2017年5月20日 0時