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013:ナニコレ JN ページ14

-Aには俺の事を話さないで。





ユノ先輩はそう言った。

だから俺は Aに今日は帰れないとだけLINEを送った。

何だか悪い事してるみたいでドキドキした。

それにしても Aの恋人があのユノ先輩だったなんて…





「そりゃハリーウィンストンなわけだ…」
「ん?どした?」





正直練習中も上の空で

どんどん時間だけが過ぎた。

途中でメンバーたちがざわついて

誰か来たのかと思ったら

スンリ先輩が差し入れを持ってきてくれた。

そういえば

スンリ先輩とユノ先輩って…知り合いだった気がする。





「お疲れ様です」
「何だお前、ボーっとしてんなー」
「あのーユノ先輩って…どういう人ですか?」
「誰?」
「ユノ先輩です」
「ユノ先輩って東方の?」
「はい、そのユノ先輩です」
「え、知り合いなの?」
「いえ…」
「優しいけど、怖いよ」
「え」
「何か事務所でも一目置かれてるみたいだもんね」
「・・・」
「俺にとっては変な兄貴みたいなカンジだけど、お前何かやらかしたの?」
「や、やらかしたかどうかは…あの…やむを得なかったというか…」
「あーあ…知らないよ、俺」
「いや!あのそういうんじゃ!」





聞かなきゃ良かった…

スンリ先輩は散々俺を脅して

陽気に帰って行った。

ユノ先輩の言葉通り

事務所を出たら

真っ黒の大きなバンが俺を待ち構えていた。





「お邪魔します…」





今日何度目かよと思いながらも

やっぱりビビってる。

どれぐらい走っただろう

グネグネの山道を上がって

そろそろ不安になってきた頃

柔らかい灯を放つレストランらしき建物が見えて

ホッと胸を撫でおろした直後だった。





「到着しました」
「…ナニ…コレ」





視界に飛び込んできた、いや、正確には視界に入りきらない…

これは何だ…このバカデカイ建物はいったい…





「ジュネくん、だよね?」
「・・・」
「ごめんね、遠くまで」





強制的に後部座席のドアが開いて

そこには

腕組みをしてにっこりと笑顔を作る

大先輩の姿…





「…コワイ」
「え」





黒塗りのバンは

俺を置き去りにして

走り去ってしまった。

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作成日時:2017年5月20日 0時

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