好きじゃないよ、絶対 (ページ10)

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翌朝、檜山くんはしっかりみんなに伝えてくれた。
本当に申し訳ないことをした。
無事クラス旗係も決まり、デザインも決まった。
ということは、檜山くんからデザイン用紙を受け取らなければならないということだ。
別に私は檜山くんのことを嫌っているわけではないから話しかけられようがなんだろうがどうだっていいのだが本人が嫌がっている以上、どうすればいいのか分からない。
多分嫌いとかそういう私情は関係なく、業務的に渡されるのだろう。
だって彼は優しいから。

放課後、忘れ物に気づいて教室に戻ると私の机には付箋が貼られた紙が置いてあった。
その隣には檜山くん。
私が戻っていたことに気がつくとバッグを肩に下げて教室から出ていった。
視線を紙に戻すと付箋には

「1年5組クラス旗デザイン」

と書いてあった。
それをめくるともう1枚貼ってあって

西野へ
提出お願いします。
檜山

と書かれていた。
お世辞にも綺麗とは言えない乱れた文字。
読めないほどではないが、なかなか乱れている。

クラス旗のデザインは綺麗に描かれていて、これは多分クラスの美術部の子が描いたのだろう。
可愛い猫や犬、うさぎなど動物がいたり、芸術に興味のない私にとっては意味が分からない歪んだ線が描かれていたり。

生徒会室に向かうとそこには生徒会を担当する先生と生徒会長がいた。
他のクラスの旗を見せてもらった。
どこのクラスもやはりクラス旗の時に輝くのは美術部らしい。
小さい頃からお前は絵を描かないほうがいいと言われ続けた私はクラス旗の時に輝くことはないだろう。