好きじゃないよ、絶対 (ページ7)

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席替えをした。
檜山くんとは席がかなり離れた。
昔からくじ運のない私は今回もくじ運はなかったらしい。
話しかけるなと言われた以上、席が隣になっても気まずいだけかな。
じゃあある意味くじ運が良かったのかもしれない。
隣の席になったのは優しそうな女の子で、彼女もあまり親しい友達といえる人はいないらしい。
決めた、友達になろう。

『初めまして、西野です。』
［あ、ああ、こんにちは。川谷です。］

檜山くんの時とは違って挨拶もしてくれたし、自分から名乗ってくれた。
当たり前か。

下の名前はあまり好きじゃないからと言われ、川谷ちゃんと呼ぶことになった。
私も西野ちゃんと呼ばれることになった。
逆に名字で呼ぶのが憧れだったから嬉しい。
最近の女子高生は仲がいいからこそ逆に名字で呼び合うとどこかの雑誌で読んだことがある。
華の女子高生、なれるかも。

川谷ちゃんと仲良くなって、浮気についても説明をして。
ただ、元彼はクラスの真ん中にいるようなタイプだからクラスの1人の誤解がとけようと特に周りからの印象は変わらないのだが。
とりあえず仲良しのお友達に理解してもらえただけいいと思う。

移動教室とかマラソン大会とか文化祭とかお友達のいる生活はすごく楽しみだ。
あの先生ハゲてるよねとか、めっちゃツバ飛ぶよねとか。
私が夢に描いた華の女子高生になれる気がした。

ただ、これは勘違いしないでほしい。
私の勝手な華の女子高生計画を達成するために彼女を巻き込んで仲良くするというわけではない。
友達になりたいとお互いが思ったから友達になって、一緒に青春やりたいとお互いが思ったからエンジョイ高校生活を送ろうとしているのだ。