好きじゃないよ、絶対 (ページ5)

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家に帰ってからもスタンプの送り合いをして楽しんだ。
寝る時にはお互いにおやすみのスタンプを送り合った。
なんだよ、恋人かよと心の中でツッコミを入れて。

だが次の日、私たちの関係は大きく変化した。

浮気相手が檜山くんだったという噂が流れた。
そもそも浮気もしていないのだが、それよりも檜山くんを巻き込んでしまった。
申し訳ないことをしてしまった。
檜山くんが来たら謝ろう、そう思った。
それなのに、檜山くんはいつもとは違ってチャイムが鳴るギリギリに登校したから謝れなかった。
その日からまた、檜山くんと話すことはなくなった。
もちろんスタンプのやり取りも。
話しかけようとしたらどこかへ行ってしまうようになった。
お互い真面目だから授業中は今までも話していなかったけど休み時間まで話さなくなった。
その様子を見た人たちからは浮気がバレて別れたんだと解釈された。
話すタイミングを探す私、逃げる檜山くん。
タイミングよく、と言っていいものなのか分からないけど席替えをすることが決まった。
もうこれで檜山くんと話す機会はなくなるんだ。
そう思うと悲しくなった。
あと1週間もないけれど、どこかのタイミングで話さなければ。
いや、謝らなければならない。
変に巻き込んでごめんなさいって。
ただ、どうしても授業中に話しかけることはできなかった。
というか、長らく話していないからか、話しかけづらかった。
檜山くんとの話し方を忘れてしまっていた。
明日こそ、明日こそを繰り返して、席替え前日。
檜山くんは学校を休んだ。
体調不良らしい。
もう謝れないじゃん。
メールで送信するという手も考えたが、直接謝るのが礼儀だと思った。
ありがとう、そしてごめんなさいは自分の口から伝えないといけないと祖母からずっと言われてきたから。