18 ページ19
情報部に声をかけて情報室に入る。
向かうのはパソコンと資料の山である。
紙面で残すなんて非効率的で余り良くはないと思うがきっと森さんの仕業だろう。
ニュース「○○区の〜、虎が目撃されたとの…」
人喰い虎などは突然ポンポン現れる訳でもない。
大型の動物なら登録がなされて然るべき場所に収監されているはずなのだ。
と、いうことは
異能力の類いか
密輸による子虎の成長か
或いは噂の飛火か
「ああ、でも」
あったはず。
昔、異能特務課の尾行行動のときに耳に挟んだ虎標の話。
「異能力の路線が強いけど確かな情報じゃない、か。」
きっと異能力者の中でも重要な異能力は特務課が把握している筈。
だったらきっと太宰さんが把握している筈なのだ。
「彼の人、今は敵組織だし」
でも、可能なら"黒"を捨てた彼の人には会いたくない。
久々に考えた彼の人に対して
怒りの感情は芽生えないが
明らかにマイナスなイメージしかつかないのは当然のことだ。
「ムカつく。犯罪歴が消えるとでも思ってんのかよ」
と、本心から少し遠い悪態を付いてしまうのも感情起伏の激しい私だからだろう。
たったの1時間。
私は必要な情報は全て絞り出し、
森さんへの報告はまだ先でいいと判断した。
「あ、このデータ刷っていい?」
情報部A「どうぞ、刷りましょうか。」
「あ、じゃあお願い。3部」
情報部A「了解しました。」
情報部A「中井補佐、こんな昔の人間のデータ取り出してどうするつもりなんですかね。。。」
_________________________________________
カテゴリ 反組織者(重要)
処罰 未遂
氏名 太宰 治
前役職 五大幹部
現役職 武装探偵社
異能力 人間失格
内容 異能力無効化
.
.
.
備考欄
最年少幹部
パートナー 中原 中也
直属部下 芥川 龍之介
その他関係者 中井 A
_________________________________________
情報部B「よく下まで読んだか?中井補佐関係あるんだよ。」
「ああ、太宰元幹部は知り合いだよ。今も場所わかるけど殺さない唯一の人間だ。君も情報部なら把握しておきなよ。此の人、データ少ないけど。」
情報部A「な、中井補佐!!すみません!」
「や、いいよ。印刷ありがとう。」
太宰さんのデータあれから絶対見ないようにしてたけど結構更新されているものだ。
中也帰ってきたら見せよう。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:テオ | 作成日時:2017年9月6日 20時