【文スト】[ヤンデレ]彼の愛は重すぎる[芥川龍之介]

愛が重い　6 ページ6

気付けば、私は眠って仕舞っていた。









しかし、芥川さんの声が聞こえて私は本能からか眼を覚ました。









防衛反応と云う物だろうか。









彼は仕事から帰ってすぐ、私が居る部屋にへと足を向けた様だった。









血の臭いが濃くなり、突然私は極度の吐き気に襲われた。









彼に悟られない様に歯を食い縛り、彼が来るのを待った。









少し経つと鍵が開けられる音が聞こえ、彼が這入ってくるのと同時に
一段と血の臭いが濃くなった。









芥「A、大人しくしていたか」









此の状況で暴れられないと判っている筈なのに。









私は頭の片隅でそう思いつつ、私は吐き気に耐えながらゆっくりと頷いた。









彼は唇を横に伸ばし、嬉しそうに笑った。









貴「………出て…行って………下さ…い……」









御願いだから。









すると彼は一瞬眼を見開き、すぐに眼を伏せて哀しそうに笑った。









芥「お前がそう云うのならば……」









彼は羅生門で私を引き寄せ、額に軽い口吻をして部屋を出て行った。









彼が部屋を出て行った後、『罪悪感』が、何故か私の心の中を占領していた。









彼に、私を連れ去り幽閉している芥川さんに
何故被害者の私が罪悪感で苦しむのだろう。









貴「………如何して……？」









ポツリと声に出してみたが、矢張り其の問いに答える者は居なかった。

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