【文スト】[ヤンデレ]彼の愛は重すぎる[芥川龍之介]

愛が重い　2 ページ2

貴女side









上司である芥川さんの部屋で書類を整理していた時の事を思い出す。









ふとした拍子に私は書類で指を切って仕舞った。









慌てて書類を置き、片方の指で傷口を押さえた。









指の隙間から滴る血に気付いた芥川さんは、血を凝視して私の手を掴み
其の侭自然な動作で指の傷口を舐めた。









貴「なッ、何をしてッ！？」









消毒だ、と芥川さんは答えると舐めていた指を口に入れた。









芥川さんの生暖かい口内に入れられた指が疼き、痛みに顔をしかめた。









傷を舌で舐められる度に肩が跳ねた。









暫くすると芥川さんは指を口から出し、自分の唾液で濡れた私の指を
毀れ物を扱う様な手付きで布で拭いた。









何事もなかったかの様に、平然と仕事を再開した芥川さんに
私は何か自分でも判らない感情が芽生えたのを感じた。









恐怖でもない、嫉妬でもない、軽蔑でも憧れでもない何か。









それは日にちが連れる程大きくなり、しかし已然に其の正体は判らない。









そんな日々を過ごし、あの日はやって来た。

愛が重い　3→←愛が重い　1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す