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『…あはは、ごめんね乙骨くん。
気、使わせちゃったよね』
二人とも喋っていなかった、寮への帰り道。
沈黙を破るように、私は乙骨くんに笑いかけた。
「気にしないで下さいよ、Aさん。
僕こそ、ごめんね？
久しぶりに会うのに会い方がこうなっちゃって」
……私は、否定も肯定もできなかった。
もし渋谷事変がなかったら、
笑って高専前で再会して抱き締めれたのに。
もし渋谷事変がなかったら、
今頃彼が海外でどんなことしてたか、
ダラダラテレビを見ながら話していたのに。
アイスとか食べちゃって、11月なのに
冷たいの食べるとか馬鹿みたいに、って
ケラケラ笑いながら一分一秒を贅沢に使うはずだったのに。
あはは、人死んでんのにこんなたられば考えるとか、
クズだね。私。
結局、気まずいのが嫌で喋ったはずなのに、
私が黙ってしまい、沈黙が続いた。
実際の時間は10分もかからずにこれる距離を、
3倍かけて歩いてきたように遅く感じた。
私の部屋の前に着き、
乙骨くんに上がってく？と聞けば、
上がる、と返されたため、彼を玄関にあげた。
部屋に入りドアを閉めるやいなや
乙骨くんは私のことを強く抱き締めた。
今までされたハグの中で一番強く、
びっくりして思わずゔ、と色気のかけらもない声が出た。
「………僕ね、怖かった」
『…うん』
「君が、死んじゃったらどうしよう、って」
『……………うん』
普段ニコニコしてる彼から出される、
震えて、細い怯えた声。
今にも消えそうで、儚い声が、
私の脳を突き刺した。
『…乙骨くん、部屋、入ろっか。
もう11月だね。寒いしあったかいお茶出すよ。
ね？靴、脱いで中入ろ？』
ゆっくりと、時が流れていくような気がした。
彼を、幼稚園生に対して話す様な優しい口調で
部屋の中へ誘導した。
ベッドの周辺に行くと、
彼は座り、私はその上に向かい合う様に
膝の上に乗せられた。
11月の夜に、電気もつけずに抱き合って何してんだろ。
まぁ、乙骨くんとだったらいっか。
明らかに場面にあってないことを考える。
彼がぎゅう、と強く抱きしめる腕の中で、
私は彼に無抵抗でいた。
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和凛 - 初めてまして、憂太らしい純粋な恋でした。更新頑張ってください！リクエストヤンデレ化棘くん作って欲しいです。 (2022年8月21日 5時) (
レス) @page6 id: aabcab5ba8 (このIDを非表示/違反報告)
ありあ。(プロフ) - 長文失礼しました🙇🏻♀️🙇🏻♀️⤵️ (2022年8月20日 16時) (レス) id: fa0015969e (このIDを非表示/違反報告)
ありあ。(プロフ) - あ"〜〜好きですぅ〜〜〜！純粋な恋！って感じのもいいですけど、こういう重めの感じのも良いですよね〜〜！文5さんマジ愛す…一生着いて行きます！！（）更新等頑張って下さい！無理はしないで下さいね！ (2022年8月20日 16時) (レス) @page6 id: fa0015969e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文5 | 作成日時：2022年8月19日 5時
