【紺青の拳】探偵と怪盗の正体を知っている女子高生３（完）

第95話 ページ6

路地に入り新一のスマホで中富禮次郎に関する日本のニュース動画を見ていた。


レポ『突然日本を離れるのは何故ですか？』
禮『バカンスだよ、バカンス』
レポ『シンガポールには５年前にも行かれてますね』
禮『ああ、それ以来だ。それが！？』
キャ『中富社長には現在、政治家への贈賄疑惑がかけられており、福島議員との関係性を…』

A｢感じ悪いな…テレビの前でもこんな感じなのか｣
新｢黒い噂が絶えない人物だから、まぁこんなもんだろ｣
快｢この前あの空手野郎にやられてたけどな｣


新一のスマホが震え着信画面に切り替わった。
哀ちゃんからだ。


新｢お、灰原か？例の男の身元がわかったのか？｣
哀『ええ、なんとかね。名前はユージーン・リム。なーんとビックリ、海賊よ』
新｢海賊？｣


今の時代に海賊なんているんだ…
小型ボートに乗っている人達が海賊だなんて…
現代の海賊はずいぶんとハイテクになったものだ


哀『最近はシンガポールでの目撃情報があるわ』
新｢さすが、灰原！頼りになるぜ！｣
哀『煽てるってことは、まだなにか調べてほしいことがあるのかしら？』


さすが哀ちゃん
新一の癖を見抜いてる


新｢あ、ああ。中富禮次郎って名前、聞いたことあるか？中富海運の…｣
哀『知ってるわ』
新｢中富海運が所有する船の状況が知りたい。シンガポール周辺にいる船だけでいい！｣
哀『わかったわ。少し時間をちょうだい』


ー−−

哀ちゃんから再び電話がかかってきたのは、マーライオンパークに続く歩道橋を渡っているときだった。


哀『シンガポール周辺には貨物船が2隻とタンカーが1隻。ちょっと気になるのは、そのタンカーが予定の航路を外れていること』
新｢そいつだ。そのタンカーのデータを送ってくれ！｣
哀『OK、また連絡する』
新｢頼む！｣


新一が電話を切ると快斗が尋ねた。


快｢タンカーがどうかしたのか？｣
新｢レイチェルさんの残した『she』の文字だよ。『she』は『船』を表す代名詞でもある｣
快｢なるほどな｣


そう言うと、今度はリシさんを電話で呼び出した。


新「キッド、悪ぃがオレの代わりに事件の説明してくれねぇか」
快「お安い御用さ」
新「Aも」
A「え、私も？」

第96話→←第94話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す