【紺青の拳】探偵と怪盗の正体を知っている女子高生３（完）

第116話 ページ27

Aside


園子ちゃんを抱き上げている京極さんと共に廊下を逃げていると、海賊達に挟み撃ちされてしまった。


海｢《やっちまえ！》｣


すると海賊の一人が京極さんに襲いかかってきた。
パンチを躱し、流れるように回し蹴りを放つ。

流石だ、と思わず感心していると、別の海賊が京極さんの背後からを蹴りを入れようとしているのが見えた。


A｢危ない！｣ﾄﾞｶｯ
京｢Aさん！｣


護身術を習ってはいるものの日々鍛えてるわけでも何でもない私はもろに蹴りを受けに行ってしまった。


A｢っ…私は大丈夫です！園子ちゃんを守ることに集中していてください！私が何とかしてみせます｣


チラッと園子ちゃんを見ると、恐怖で震えていた。


京｢くっ…｣


…ミサンガを見てる？
レオンに何か吹き込まれているのか、声をかけようにも良い言葉が見当たらない

その間にも海賊達はじりじりと距離を詰めていた。


京｢Aさん…この人達を任せてもいいでしょうか？｣
園「ちょっ真さん、Aを置いていくつもり！？そんなことしたら！」
A｢蘭ちゃんほど活躍できる自信はありませんが大丈夫です｣
園「A！！」


泣きそうな顔で私を見る園子ちゃん
また「自分の命を犠牲にするつもり！？」って怒られちゃうかな…


京｢10秒稼いでいただければ十分です｣
A｢それならイケます。園子ちゃん、私これでも武術の大会で3位入賞している実力者だよ？さっきは油断しちゃった、でももう大丈夫」
園「A…」
A「行ってください｣


私の言葉と共に京極さんが動き出す。


園｢え、なになになになに！？｣


園子ちゃんを抱えながら、壁に向かってジャンプし、壁を駆け上って海賊達の頭上を越える。

海賊達が驚き私から注意が逸れた。
近くにいた海賊のポケットから数丁の拳銃抜き取り、バックに入れる。
大丈夫、使い方はわかる

そういえば、アイダン警部補から渡されたエアガンは使う場面はなかったな


海｢《追え！》｣


エレベーターで下りてきたユージーン達も加勢して京極さん達を追おうとする。


A｢行かせない！｣


ここから非常階段まで距離がある、まずは視界を遮らないと
銃を向けるフリをして快斗から貰っていた煙幕弾を床に叩きつけた


海「《クソガキが！》」


数打ちゃ当たるじゃないが、海賊たちが乱射した弾は顔や腕を掠めていった
モロにウケてないだけ運がいい


A「っ…容赦なさすぎでしょ」

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