【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】 (ページ35)

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告白【蓮@雫3318】ページ35

「ナミノ･･･さん。イロハさん･･･は？」

そのまま、無言で紅茶を飲み干す。

すると、紅茶の茶葉を渡された。

赤の、紅茶の茶葉だった。

「ええで。ワイも灰色のあんちゃんと話したい思うとったし。」

新しい紅茶を淹れて、灰色のあんちゃんに渡す。

「お嬢ちゃんはフランスにおるよ。絵師試験にも合格したらしいで。」

「……そう、ですか」

下を見て俯く灰色のあんちゃんを少し見詰めた後、口を開いた。

「……最初の試験の、『潜りすぎたらあかん』は、案外簡単な答や」

立ち上がり、小さな筆を持ってくる。

「潜りすぎたら、上に持っていかなあかん。もし持ってこれなかったら、その絵は感情に左右される。」

「怒りの時に描いたら、怒りの絵に。だから、自分の感情をコントロールする。けれどな、」

目配せをすると、灰色のあんちゃんはビクリ、と動いた。

「お嬢ちゃんも、あんちゃんも…怒りの感情を内に秘めてる。」

「……え?」

「親に、家に、傷付ける者に。まるで……」

「そう、殺意としか言い様の無い怒りをその腹に宿してる」

「あんちゃん、コントロールするんや。その怒りをコントロール出来たら……」

「簡単にお嬢ちゃんなんて超えられる。」

「ッ……でも、怒りの出し方が……」

堪忍な。おっちゃん。

「じゃあ、手伝ったろう。」

「え……?」

「あんちゃんの家の事件も、あんちゃんの色の事も、ああ…赤のお姉ちゃんの事も、お嬢ちゃんの親の事も、お嬢ちゃんの色も…黒のあんちゃんの事もワイの仕業や。」

笑った。

「ワイが居なかったら、皆幸せやったのになぁ」

幸せが壊れる音がする。